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はてながSharethrough(シェアスルー)を導入し、ネイティブ広告を拡販

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ソーシャルブックマークサービスで知られるはてなが、米国発のネイティブ広告プラットフォームSharethroughが提供するSFP(Sharethrough for Publisher)を導入し、ネイティブ広告の提供をしたことを公表した。

SFPは、Sharethroughが提供するネイティブ広告のSSP。今回はてなが日本で初めてこれを導入しネイティブ広告を正式に販売する。その第一弾の広告主は、人材大手のエン・ジャパンであり、「はてなブックマーク」のプログラミング特集ページのネイティブ広告枠に、掲載されている。(下記赤枠が広告)
Hatena

広告の誘導先は、「エン・ジャパン」が提供するオウンドメディア「CAREER HACK」内の記事コンテンツである。

SFPの「ネイティブ広告ジェネレーター機能」では、広告主がオウンドメディアやソーシャルメディアに投稿した画像・テキスト・動画を基に、ネイティブ広告クリエイティブを半自動的に生成することが可能。生成されたクリエイティブは、広告主が入稿したリンク先コンテンツの紹介がユーザーにとり受け入れられやすい形式となっており、コンテンツへの自然な誘導を促す効果が考えられる。

ネイティブ広告需要の急拡大は、日本も含む世界的なトレンド。そして日本では、コンテンツマーケティング需要の高まりとともに、大手広告主を中心にオウンドメディアの開設が続いているが、作ったコンテンツをどのようなチャネルを通し、どのような場所でユーザーに見つけられるかを考慮することも必要となる。

また昨年はネイティブ広告については、どうあるべきか、嫌われない広告とはどのようなものか、というような議論が業界で活発化したが、この事例はこれらの課題に対する回答の好例といえる。

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マイクロアドトップが語る、アジアでの成功と、広告を超えて見据える国内の今後 [インタビュー]

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国内最大手の広告プラットフォーム「MicroAd BLADE」を運営するマイクロアドを率いるトップは、今どこに向かって走ろうとしているのか?好調の海外事業の現状や、国内事業の今後の展望について、同社代表取締役社長 渡辺健太郎氏に聞いた。

(聞き手: ExchangeWire Japan 野下 智之)

国内と異なる広告主層と商品ラインナップ、販売好調はブランド広告主向け動画広告!?

―貴社の海外事業の現状について、お教えください。

海外比率は2割くらいです。その内訳は、直近は変動が大きく時期により異なりますが、年間を通すと、おおむね中華圏と東南アジアで半々くらいの比率です。最近は東南アジアの売上がかなり伸びています。ですので、直近では東南アジアの比率がより大きくなりつつあります。国として伸びているのはベトナムとインドネシアです。

―東南アジアでの業績が現在好調な要因はどこにあるのでしょうか?

MicroAd社 代表取締役社長 渡辺健太郎氏一番のポイントは面を押さえているというところです。ここでいう面とは、エリアのことです。東南アジアのクライアント様は、国単位というよりは、東南アジア全体でマーケティングしたいというニーズが強くあります。またそのようなニーズのほうが、予算規模も大きくなります。しかし、域内全体で面をしっかりと押さえている会社は少ないのが現状です。当社は、このようなニーズに応えられる体制が出来たというところが、現在東南アジアでの好調な業績を得ている一番大きな理由です。

―貴社は、東南アジアでは2011年にインドネシアに拠点を開設されたのが初めてだそうですが、そのときなぜインドネシアを最初の拠点に選ばれたのでしょうか?各社さん最初はシンガポールに拠点を作られるケースが多いですが。

インドネシアに拠点を出したのは、偶然のことでした。たまたま現地に行く機会があり、そこできっかけを作りました。事前にリサーチをしてから展開するということではなかったです。

―インドネシアの次に展開されたのがベトナムですが、こちらも同様でしょうか?

展開先の基本的な優先順位としては、人口が多い国を攻めていくという考えはありましたね。当社は、中国やインドにも進出しています。やはりそこはマーケットのポテンシャルというところを重視しております。ですが、国ごとの細かな展開順序には、深い意味はありません。タイミングであったり、縁であったりということです。

―国や地域により色々なことがあるのではないかと思いますが、各国で展開してきて強く印象に残っていること、苦労したことなどはありますか?

中国は、やはり法律面ですね。ライセンスの取得が非常に大変です。これをクリアすることがまずは大きな障壁になります。実際にはライセンスを取得できない会社も結構多いと聞きます。
東南アジアもやっぱり国により法律や規制も違いますが、そこはそれに合わせてやっていくということに尽きます。ですが、東南アジアの場合は比較的各国の文化も共通点が多く、マーケットもある意味においては、東南アジアという一つのマーケットとして捉えられる部分があります。ですので、1カ国に展開したのちには、そのノウハウをもとに他の国に展開しやすいです。
しかし中国の場合は、そこから外に出る、あるいは中に入るときの壁があります。中国で使えるノウハウは、中国だけのものであるという感はあります。韓国もまた、マーケットは独自なところがありますね。人の採用に関しては、もちろんそれぞれの国・地域ならではの苦労は当然あるとは思います。ですが、当社は、現地の優秀な人間をかなり採用できていると自負しています。そこは事業を成功させてきた秘訣の一つです。

―海外の各国や地域で、好調なプロダクトは違うのでしょうか?またプロダクトは同じでも打ち出し方を変えておられるということはあるのでしょうか?

そうですね。中国では、比較的インバウンドの領域が強く、MicroAd BLADE以外のサービスが相対的に伸びています。一方で、東南アジアでは現地企業との提携事業で動画広告の販売が伸びていたりします。各国や地域で、ニーズに合わせてプロダクトをうまく組み合わせています。全く日本と同じものを同じように販売しているということはしていません。

―東南アジアでは、Ambient Digital社と提携していますが、これについて詳しくお聞かせください。

Ambient Digital社とは、合弁会社をつくり現地で事業を展開しています。もともとは、ベトナムでのパートナーという前提でパートナーシップを組ませていただきました。同社はアドネットワークを運営しており、ベトナムで保有する広告在庫以外にも、同社が展開しているフィリピンやタイの広告在庫と、当社のMicroAd BLADEとを接続することにより提携地域を広げました。現状では、当社単独でも、これらの地域で十分な広告在庫を確保できるようにはなりました。インドネシアでも提携をしておりますが、こちらは広告会社ではなく、投資会社です。

―海外での提携先探しは、どのようにしているのでしょうか?

当社の場合、コンサルティング会社などの仲介会社を一切介在させず、直接行うのが基本的なスタンスです。ですので、直接独自に開拓をしています。自社で調べたりして、実際お会いしたいと思ったところに直接話をしに行きます。提携したいなと思うところだけにオファーしますね。

―海外で展開してきて、各国・地域で当時課題に感じたことで、印象的なことがあればお聞かせください。

MicroAd社 代表取締役社長 渡辺健太郎氏中国の場合は、外資系企業と内資系企業とでは商習慣が全く異なります。やはり内資系企業としっかりと取引をしていくのは結構壁があります。
東南アジアは、国にもよります。例えばフィリピンの場合は、東南アジア唯一のカトリック国で、かつラテン系のような気質の国民性があり、日本とは異なるマネージメントの仕方や分業体制が求められます。恐らくどの国もそうでしょうが、イスラム教国であれば、ラマダンの月には、ビジネスのスピードが少しゆっくりとなります。当たり前のことですが。(笑)
ベトナムのような社会主義国の場合は、私たちの業界でいいますと、会社の設立に時間を要すことや、手続きのためのペーパーワークが多いというようなことがあります。

―日本と東南アジアの国では、クライアントの業種の構成比などは、違うのでしょうか?

はい、違います。日本ではダイレクトレスポンス系のクライアントが多いですが、この地域ではブランド系のクライアントの比率が多いです。ですので、プロダクトも動画広告が伸びている状況です。
東南アジアは、消費そのものが伸びており、日本のような成熟した環境とはそもそも異なります。ユーザーは、まだまだ高度成長期ならではの「欲しいもの」も沢山あります。ブランディングが必要なフェイズなのです。成熟した環境でパフォーマンスを追及するという日本の状況とは、やはり少し異なります。

―FacebookやGoogleのシェアが高く、競争環境も激しい東南アジアで、貴社が今注力しているのは、どのようなことでしょうか?

直近では、同地域をしっかりと面で押さえていることに関する営業、顧客サポート体制の強化がメインです。サービスという意味での差別化、独自性というのは、今後の取り組みになってきます。

―東南アジアの地域で、今特に意識されている企業があれば、お聞かせください。

特にはないです。

―今後中長期的に海外の売上比率はどのようになっていくでしょうか?

5年以内には50%を超えていくのではないかと思います。これは目標というよりは実際にそうなると思います。伸びているアジア地域と、成熟する日本とを比較すると、そのような流れが背景にもありますので、われわれがしっかりと取り組めたらそうなるでしょう。

先を見据えた国内事業、目指すは“脱広告”

―貴社は売上の海外比率を今後も高めていかれる戦略と聞いていますが、国内に関しては今後どのような構想を描かれているのでしょうか。

国内では、広告というものにとらわれない、データ関連の事業に力を入れていきたいと考えています。現在当社は広告を対象にデータビジネスをしています。今後は、データに力を入れていきたいと思っており、やっぱり広告だけを対象にしていると、先が見えているのではないかと。日本はもう成熟してきており、広告枠とかそういうところだけで考えるとすでに頭打ちになってきています。ですので、新しいメディアとか新しい枠みたいなものを待っていても、多分どんどん鈍化していくと思うのです。データビジネスが今まで出来ていないことをやれるような領域に入っていかなければ、今後成長を続けるのは結構厳しいのかなと思っております。ですので、そこはかなり力を入れてやろうと思っております。

例えば、店舗開発で新しい業態の飲食店を作るのに最適なエリアを特定するサービスなど、未来を予測できるようなデータの使い方を考えております。今までは、過去の履歴を踏まえて過去こうした人に広告出す・・というような世界でした。今後未来予測にフォーカスしていくと、ビジネスの可能性の幅も大きく広がります。マーケティングや広告というような領域を越えたようなソリューションを、少し意識してイメージしています。

―将来貴社から、広告会社という形容詞は外れるかもしれないということですね。

はい、そうですね。やはり、広告という枠組みよりも、テクノロジーの進化のほうが早いと思っています。5年後の東京オリンピックが開催されるときには、テレビはあるかもしれないですが、10年後はさすがにほとんどの人が見ていないのではないかと、なんとなく思うのです。
では、その頃はパソコンやスマートフォンなのかというと、それも結構怪しいと思うのです。
だから一つの枠に依存するようなものを、長い期間キープすることは、できないのではないかと思っているのです。そうすると、枠ありきでマーケティングを考えて、何かを開発していくということは、勿論短期的には続くのでしょうが、やはりどこかでなくなるのかなとは思っています。ですので、このあたりはしっかりと見据えていきたいです。

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fluct 小澤氏に聞く-改めて理解する国内プライベートマーケットプレイスの現状とその真価 [インタビュー]

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近年注目されているプライベートマーケットプレイス(PMP)は、特定の買い手と売り手とが、優先取引案件を配信することが可能なシステム。もともとは欧米で発達した仕組みだが、近年は国内でも取り扱いが増えつつある。そのうちの一社が国内SSP最大手のfluctだ。Googleと提携し、優先取引やプライベートオークションなどのPMP機能を持つ「Double Click Ad Exchange」の導入支援を決定した同社では、PMPの現状とその本質、今後の可能性をどのように見ているのか。fluct取締役の小澤 昇歩氏に聞いた。

(聞き手: ExchangeWire Japan 野下 智之)

PMPは「限られた売り手と買い手が取引できる市場」

―PMPとはどのようなものかについて、お聞かせください。

fluct 小澤 昇歩氏

PMPとは、RTB取引の取引方法の名称です。たまに誤解されるのですが、PMPの「事業者」はいません。あくまで取引の方法の名前です。なので、PMPと同列に話さなければならないのは、オープンオークションです。

オープンオークションは、PMPが出てくるまでの主流でした。要は「誰でもどうぞ買ってください」という方式です。ヤフオクと同じで、多くの方に来てもらい、お金を出せば誰でも買えるわけです。

一方、「誰でも買える」ではなく「限られた一部の人だけが買える市場をつくろう」それがPMPの考え方です。例はいろいろありますが、例えばあるコンサートのチケットを、ローソンチケットに来る前に、年会費を払っているファンクラブ会員にだけ事前に買えるようにするとか、航空会社が航空券を一般の人に売る数日前に、上級会員の方々に優先して売るとか、そういったものをイメージいただくといいと思います。メディアの広告枠を優先的に開放して、限られた方に売る。もちろん値段は高くなることが多いのですが、それでも欲しい人はより買える可能性が高まるので嬉しいわけです。

 

―VOYAGE GROUP、fluctさんそれぞれとしてのPMPとのかかわりについてお聞かせください。

fluctは、自社プロダクトのSSP「fluct」に加えて、GoogleのGCPP(Google Certified Partner Program:サイト運営者向けGoogle認定パートナー)として、Google AdSenseとDoubleClick Ad Exchangeをメディアに提供しています。

SSP「fluct」も、PMPの提供を一部開始しているのですが、現在は、PMPを希望されるメディア様向けには特にGoogleのDoubleClick Ad Exchangeを多く提案しています。理由は、PMPを行うようなプレミアムなメディア様向けの機能が非常に充実しているからです。PMPでは、今までのオープンオークションと違って、設定や最適化がいろいろ複雑で大変なんです。データのつなぎこみも必要だし、見なければならないレポートも膨大です。それをすべてカバーするためにはプロダクトのパワーがかなり必要になります。そこで当社では、PMPをお考えのプレミアムなメディア様向けにはGoogleのDoubleClick Ad Exchangeをメインで提案しています。

―PMPのような考え方はそもそもなぜ生まれてきたのでしょうか?

背景はすごく簡単で、オープンオークションが生まれた時は、サプライサイドは広告を「とにかくたくさんの人に買ってほしい」という時代でした。「より多くの人と繋ごう!」ということでSSPも DSPもお互いの接続数を争っていました。このとき、日本のSSPの接続先DSPは、恐らく30社から50社くらいが平均だったかと思います。

そうなると、自分の在庫が一斉に30社や50社にわっと投げられるわけですね。すると何が起きるかというと、SSPはお預かりしているお客様の枠が、実際にどの商流のどのお客さんが買っているのか把握がどんどん難しくなり、管理ができなくなっていったんです。また、たとえばよく知らない海外の小さなDSPと接続をした場合、その先のクライアントが本当に信頼できる買い手かわからないのです。そうなると、プレミアムなメディアの多くは、そういうところには、怖くて出せないということが起こります。

広告主も、DSP経由で買うのはいいけど、どのメディアに出るのか分からなすぎる、本当にブランド価値を毀損しないのか、という問題が出てくる。プログラマティックで取引がオープンになることはいいけれども、ある程度「こういうところに出したい」、「こういうところには出したくない」という制限をお互いがしたくなる。そのような背景から、ある程度クローズドな市場のニーズが高まり、できたもの、それがPMPです。

枠よりも、良いものを買える優先度が価値

―PMPとは、買い手からするとメディアや枠を囲い込んで、いいものを買うという買い方かと思いますが、ターゲティング指定が可能な、プレミアムと呼ばれるアドネットワークと比べると、どのような点でメリットがあるのでしょうか。

fluct 小澤 昇歩氏広告主にとってのPMPのメリットとは、枠を指定して安全に買えるということもそうですが、優先度高く買えることだと思います。同じ飛行機の座席だけど一般より早く予約できるところに価値がある。同じサイトに対して、Googe AdSenseでも配信できるけど、お金を出してでも競合より先に広告を出したい。それがPMPの価値だと思います。

―PMPというのは、売り手と買い手がそれぞれオープンオークションよりも上位レイヤーであると認識していますが、プラットフォーム、買い手、売り手のうち、誰が主導してはじまるのでしょうか?

いろいろなパターンがあるのですが、一番基礎的な例でお話ししますと、例えば、SSPがある枠をオープンオークションの前に、PMPで限られたDSPにだけ優先して売りたいとします。もしくはDSPからSSPに対して、優先配信をさせてほしいとお願いされたとします。この場合、まずSSPとDSPが優先配信を行うことを同意する必要があります。これはオンラインで行えるところもあれば、電話やメールなどアナログな方法で行っているところもあると思います。

DSPとSSPが優先配信を行うことが決定すると、SSPは1つ1つのDSPに対して優先配信許可設定をします。そうすると、実際のRTBのシステムに、共通の取引IDが付与され、配信が行われます。また、DSP全体では優先配信を行わなくても、この広告主さんであれば優先取引をする、といったこともあります。

一方で、買う側のDSPは、優先配信が許可されても、どこが優先配信できるのかわかりませんよね。SSPは優先配信でなるべく高く買ってもらいたいために、自分たちの枠、ユーザー、メリットなどが載っている広告枠のカタログのようなもの作ります。登録すると、その情報はSSP経由で各DSPに行きます。DSPはいろいろなメディアが商品として載っているECサイトのような画面から、一覧で広告枠(つまり商品)全体を見ることができます。まさに枠や想定ユーザー、価格が網羅的に掲載されているECサイトのようなイメージです。

こういう機能を、先進的なグローバルのDSP、SSPなどは持っており、PMPに対応しているのです。

先進的なところですと、この管理画面に取引のためのコミュニケーションまで完備しているところもあります。たとえば、あるSSPを使っているメディアが、自社のメディア情報をDSPに管理画面で送ったとします。一方で、あるDSPを使っている買い手が、「この枠は配信したいけど高いな」と思ったとします。そうすると、チャット機能を使い、買い手側がメディアの担当者と値下げ交渉をすることが出来ます。交渉が成立すると、その管理画面から自動で取引IDが付与されるという仕組みです。まさにヤフオクやメルカリ、フリルといった、CtoCのマーケットプレイスのような機能が備わっているんです。日本のローカルのDSP、SSPでここまでカバーしているものはあまり見かけませんが、グローバルではここまで作りこんでいるところもありますね。

―実際に売買取引のやり取りをしているのは代理店とメディアなのでしょうか。

概念で言えばメディアと広告主ですが、実際はメディアと代理店、あるいはメディアの代わりにSSPが担当します。SSPは、商社のように、お預かりしている広告枠を仲介して、より買われやすい名前を付けたり、サイトの説明文などをわかりやすくしたり、実際にDSPに営業したりします。自分たちのメディアしか見ていないと気づかないところも、膨大なメディアを日々見ているSSPなら、特徴や押しポイントもよくわかるんです。ほんとにお店ですね、ポップ書いて値段つけて売るという。

米国などはトレーディングデスクが発達していて、彼らが取引しやすいようにシステムを介した売り手とやり手の取引が定着しています。しかし日本は始まったばかりで、売り手と買い手はみんな知り合い、というような状態です。ですので、いまはシステムを介すよりも、電話やメールのほうが早いというのが現状なのですが、そのうち電話やメールは面倒くさいから管理画面を通したやり取りが普及・定着するようになるでしょう。

プレミアムメディアが高い関心

―PMPについて、メディア側の反応はいかがでしょうか。

正直申し上げて、これまで広告主側のシステムはどんどん発展してきていたなかで、SSP側も十分な技術革新をメディアに提供できていたかというと厳しかったところもあるんです。DSPやアドネットワークを駆使しても、収益性を劇的に高めることには正直限界がありました。PMPではそれがゲームチェンジする可能性があると思っています。きちんとやり方を間違えずにやれば、本来のメディアの価値を正しく評価してもらえるので、プレミアムメディアを中心にPMPの取り組みを始めています。とても関心は高いと思います。

―メディアがPMPのメリットを得られるかどうかは、その規模は関係あるのでしょうか。

よくこの質問を聞かれるのですが、回答はシンプルだと思っていまして、「その枠、そのメディアが広告主さんに価値があるか?」ということだと思います。価値がある、優先しても買いたいと思われるような強みがあれば、たとえば規模が小さくても、メリットを得られる可能性はあります。例えば10万PVだけど不動産分野にすごく強みがあるなどというような特徴です。逆にどれだけ規模が大きくても、優先しても買いたいと思われるような特徴がない場合は、メリットを得にくいと思います。

―メディアから、PMPの導入により純広告販売への悪影響を懸念する声はないのでしょうか。

皆無ではありません。ですが、影響が出るかどうかは、運営次第であるとも言えます。たとえば純広告より高いときだけ入札するような設定ができるものを選べば、そのあたりのリスクを減らせるかもしれません。そのあたりのすごく細かい設定やチューニングにおいて、DoubleClick Ad Exchangeは非常に優れているなと感じます。もちろんそれらの素晴らしい機能が、今の日本の市場に本当に必要かと言われると、実は現在のフェーズでは多くの企業で必要ないってものもあると思うのですが、機能競争であれば、DoubleClickだけではなく、グローバル企業のプロダクトは、やはり強いですね。

―メディアがPMPを導入する時に、まとまったコストや工数はかかるのでしょうか。

メディアさんが自分たちで全部やるとなると、調査したりタグを貼り直したりといったコストが必要かもしれません。私たちのようなコンサルティング機能を持った企業にお願いすれば、コストも工数も、基本的にはあまりありません。しかし一緒にがんばっていくという気持ちは必要です(笑)たとえば当社でDoubleClick Ad Exchangeを導入していただく場合は、事前に双方のスタンスを合わせるために色々とお話しをします。とりあえず一か月入れる、というようなスタンスの場合は、私たちのほうからお断りしています。

導入にはABテストも必要ですし、現状の洗い出しや、広告に対する考え方、スタンスなど深くお聞きします。ですから、中長期的なスタンスで臨んでいただかなければ、対応は難しいのです。パートナーシップを組んでやると思っていいただく気持ちが必要です。

―PMPという言葉のイメージでいくと、買い手からは、メディア価格の底上げになるのではないかという反応はないのでしょうか。

メディア価格の底上げになるのはその通りで仕方ありません。ただ広告主の方にも、それ以上のメリットがあるとは思います。今後、オープンオークションでいい枠を買うことは、現在よりも難しくなるでしょう。

PMPも最後はヒトの運用力、「センスがないと扱えない」

―PMPが普及していく過程でなにかボトルネックになることは考えられますか。

結局は運用面だと思います。メディアもそうだし広告主もそうですが、現時点でも広告市場全体で「運用する人がいない」という問題がよく挙げられています。ところがPMPはもっと運用負荷が高い。枠を登録して、情報を整理して、非常に面倒なのです。きちんと継続して運用をすれば、変化する広告主のニーズを理解し、メディアは収益をよりあげられる可能性があるのですが、逆に運用しないと収益性は継続しません。波の多い性格なのでPMPは特に運用が重要です。

広告主もこれまでのオープンオークションから、PMPが増えて、まるで先物取引のバイヤーのように膨大な情報から瞬時にジャッジする能力が求められます。直近はそこがボトルネックになりそうですね。日本の会社はまだまだ多くのワークフローにおいて人力が多いので、運用コストが爆増すると思います。単に人を増やすだけなら簡単ですが、PMPを含めた近年のプログラマティック取引の場合は、センスがないとだめです。そういう人は、売り手側、買い手側、私たちSSPにとっても簡単に増やせない。そこがボトルネックですね。

―PMPの運用の領域は、自動化は難しいのでしょうか?

今後、ある程度までは自動化していくとは思いますが、どこまでいっても最後は人が必要だとは思います。個人的にはPMPというのもツールなので、人が運用してある程度知見がたまらないと、そもそも自動化も何もないと思いますね。

―海外では、パブリッシャーが連携してオーディエンスデータを共有し、広告の付加価値を高めるような仕組みが出来ています。日本でもこのようなことは起こるでしょうか?

日本でもあると思います。ですが、個人的には日本でその手のメディアアライアンスを組むには資本関係が必要ではないかと思っています。実際にどのようにデータを取り扱っているのかは詳しくは知りませんが、メディアアライアンスを構築していくという意味だと、例えばSyn.(Supership)やDeNAなどはうまいなと思います。

―SSPが中心となってそのような取り組みをすることはないのでしょうか。

SSPが中心になり、ユーザーのデータを共有するのは非常に難しいのではないかと感じています。メディア側にあまりメリットがないのではないかと思いますね。プライバシーの問題点もあります。複数のサイトから情報を集めて名寄せをしていくと、どんどん個人情報に近くなってくる。そうなるとSSPに多くの個人情報が集まることになるので、これまで以上に厳格な管理とユーザーへの対応が必要になります。

PMPの普及でメディアの努力が報われ始めている

―今後のPMP市場について、どのくらいのポテンシャルで見ておられますか。

fluct 小澤 昇歩氏

プログラマティックの取引で、半分はいってほしいと思っています。単価が高いので、売り上げで言うともっとかもしれません。プログラマティック全体のオープンオークションとすると、その中でいうとインプレッションはそんなになくても、PMP経由して取引された量でいうと半分以上くらいになりえるとは思っています。

PMPを入れれば必ずうまくいくと考えるのは間違いです。実際にお金を出してくれている広告主の意見をキチンと聞いて、広告主の指標に合うような枠を試行錯誤しながら作り続ける事が重要です。一気に効果がある事は珍しいので、結果を受けてPDCA回していく作業をどれだけ積み上げていけるかが重要だと思います。

「PMPの価値とは何か?」それは、メディアが正しい努力をすれば報われる、ということだと思います。今までメディアの努力は、必ずしも価格に反映されていませんでした。リターゲティングやカテゴリ配信が主要な中で、商品を頑張ってPRしても、あまりその価値に気づいてくれる人は少なかった。しかしPMPは商品を持っている側がプッシュできる仕組みなので、いいメディアはより売れていく。もちろん従来のオープンオークションやアドネットワークだっていい仕組みなので、どっちがいいとか悪いとかそういうのじゃないと思うんですよ。メディアさんがちゃんと考えて適切なプラットフォームでマネタイズすればよいと思います。ただ、選択肢がどんどん増えていますから、何も知らないと損をしたり、ひどいと騙されたりするわけですね。したがって、このあたりの動向に対してアンテナを張っておくことはすごく大切だと思いますし、その努力はこれまで以上に報われると思います。

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市場ニーズを反映したマーケティングオートメーション事業の買収増

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(翻訳:Asia Plus 黒川賢吾)

2015年Q4のアドテク及びマーケティングテクノロジーにおける、3割程度の買収取引がアドプラットフォームに関するものであった。これは前の四半期において、全取引の7%程度しかなかった点を考えても大きな増加と言える。この分野のスペシャリストであるM&Aアドバイザー企業のResults Internationalの調査によると、データを重視した、もしくはマーケティングオートメーション関連の事業がM&Aにおいて今までになく大きな上昇を見せた。それでは、この傾向はずっと続くのであろうか?

2015年全体で見ると、アドテクもしくはマーケティングテクノロジー関連の取引は合計で145億ドル(99億ポンド)となり、前年から59%の大きなダウンとなっている。FacebookによるWhatsAppの大規模な買収を除くと、前年比で8%の落ち込みとなる。2014年Q4の上昇は好材料ではあったが、1年間のトレンドをひっくり返すほどのものではなかった。

昨年からの大きな成長は、マーケティングオートメーション分野で確認できる。このカテゴリーは全ての取引の22%を占め、昨年の10%から大きく成長している。では、マーケティングオートメーションのトレンドはどこに起因しているのだろうか?

2015年のアドテク関連の一連のM&A活動を見てみると、市場がどこへ向かうのか、明確な姿を理解することが出来る。

2015年にはチャネル、デバイス、コミュニケーションの収束がより加速した。マーケッターは、標準化された方法でより適切なコミュニケーションを実行するには、統合や調整などが必要なことに気づいたのである。テクノロジープラットフォーム事業者にとって行うべきことは明確である。彼らはクライアントの全てのニーズに応える必要があり、そのためには二つの選択肢が存在する。自身で全てのサービスが稼働する事業を作り上げるか、オープンなエコシステムを確立し、自身の足りない部分をプラットフォームに組み込むかのどちらかである。

2015年11月のNeustar社 による、分析及びアトリビューションツールを提供するMarketShare社の買収により、同社の優れた分析能力を生かして、クロスチャネルやクロスデバイスでのソリューション展開が可能になった。この買収はNeustar社が得意とする通信事業者向けサービスにおいて、大きな利点となり得るだろう。

同様に、3月のNielsen社によるExelate社の買収により、同社が測定や分析に加えて、データや実行の分野にまでサービスを広げ、より品質が高く効果的なターゲティングサービスの提供を行うことを可能にした。

Sizmek社はオープンかつカスタマイズ可能な、他社ベンダープラットフォームとの共存が可能なテクノロジースタックを提供しているが、昨年のPointroll社の買収によって広告カスタマイズの分野に進出した。この買収により、マーケッターから強く要望されていた、ターゲット化された広告制作と配信事業の提供が可能になった。

ターゲット化されたクリエイティブに関しても動きがあった。8月に、Oracle社が、マーケティングにおけるテスト、ターゲティング及びコンテンツのパーソナライズ化をクラウドベースで提供するMaxymiser社を買収した。これにより、Oracle社のクライアントは、データを効率的に活用し、彼らの顧客に対してオンサイトかつアプリにおける高度にターゲット化されたコンテンツ配信を行えるようになった。

いわゆる「何でも屋だが、特筆すべき分野がない」企業と、マーケッターの目標達成の為に不可欠なツールを提供する企業の間では、明確な線引きがなされている。主要なテクノロジープラットフォームの買収トレンドを見る限り、コンテンツのターゲット化、クリエイティブ配信のための情報活用、そして一元的なマーケティングエコシステムにおける多様な配信サービスをサポートするプラットフォームにおいては高い需要を読み取ることが出来る。

Adobe社による写真アセット提供サービスを行うFotolia社の買収及びAdobe Creative Cloudへのサービス統合からも明確なメッセージを読み取ることが出来る。ダイナミックコンテンツを利用した、ユーザー別のメッセージ配信の容易化である。クラウドサービスの一部として、全てのクリエイティブアセットにアクセス出来ることで、マーケッターはデザインプロセスをより効率的なものとし、消費者のエンゲージメントを高める為のクリエイティブ配信に注力することが容易になる。

それでは、次に来るのはどのような技術であろうか?既に2月であるが、2016年のアドテク及びマーケティングテクノロジーの分野において、データ及びターゲット配信に関する激しい買収合戦が繰り広げられそうな様子である。この事業では幾つかの独立した事業者が存在したが、昨年から事業の収束が進み、今年も同様の形で継続されていくだろう。最近発表されたTeleNor社のTapad社の買収などが一例である。

デジタルエコシステムは統合され、テクノロジープラットフォーム、マーケティングオートメーションにおいて差別化を行うのは困難になってきている。時代に遅れない為には統合が必須である。DSPのような多くの単独のテクニカル企業は同一化が進み、違いを見出すのが困難になってきている。これらのサービスを統合した事業者は、より良い結果を導く為にどの分野に開発投資がなされるべきか、より説得力のあるストーリーを顧客に提供することが可能になる。

同様に、アドブロックやビューアビリティなどの困難に対して、サービス事業者は解決策を提供しようと試み続ける。そしてそういった企業が、違いを生み出したい、より大きな企業に買収されていくのが常である。

テクノロジーが現在の非常に速いスピードで進化し続ける限り、新たなテクノロジープラットフォームが現れ、マーケッターの抱える問題を解決し、更にはマーケッターが気づいていない問題についても提唱していくだろう。買収件数は昨年と比較すると減ってはいるが、2013年と比較すると飛躍的に数は伸びており、今年に入っても市場は非常に活動的である。何の心配も要らないだろう。

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今週のニュース拾い読み-The Trade DeskとInMobi、パッケージ広告プロダクトを共同企画しThe Trade Deskより提供を開始-

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グローバルで展開する米国DSPのThe Trade Deskが、モバイル広告プラットフォーム大手のInMobiと共同でパッケージ広告プロダクトを企画し提供を開始したことを公表した。

今回のリリースは、キャリアターゲティングパッケージ。DSPでは難しかった携帯キャリアごとのターゲティングとInMobiでは難しかった細かな広告運用を可能とした。

InMobiは、RubiconProjectとの事業提携により、モバイルアドエクスチェンジを運営しており、The Trade Deskは、Inmobiアドエクスチェンジが発行するDeal IDを元に、InMobiが持つプレミアム在庫をバイイングする。

The Trade Desk日本カントリーマネージャーの新谷 哲也氏によると、「リターゲティングに偏っている現在のDSP活用を、当社がグローバルで持っている知見や技術力を国内外のパートナーとともにパーケージ化することで、リターゲティング偏重でないDSPの新しい活用の仕方を、契約代理店、広告主の皆さまに分かりやすくシンプルに提案していきたい。」とのことだ。

DSPの活用は、現在もリターゲティング依存が続いているといわれている。それ以外の目的でのDSPの有効的な活用にあたっては、広告主・広告代理店側に高度なキャンペーン設計力が求められるが、The Trade Deskを使う側がキャンペーン設計をよりしやすいプロダクトを具体的に提示することにより広告代理店の広告主に対する提案力の強化を側面から支援する。

同社によると、今回のプロダクトに限らず、今後もソリューションベンダーや、SSPなどと協業して、動画広告パッケージやモバイルリッチメディア広告パッケージなど、新たなパッケージプロダクトをリリースしていく予定とのことだ。

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FacebookのSSPプロダクトに関する不吉な前兆

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(翻訳:Asia Plus 黒川賢吾)

2014年7月に、Facebookは推定500億ドルにてLiveRailを買収した。
LiveRailは当時有力な動画アドエクスチェンジとして有名だったが、アドサーバーを自社管理していることはあまり良く知られていなかった。2016年1月に、Facebookはサービスの新規顧客の受付を終了したとアナウンスした。

この発表はFacebookがアドサーバーにおける顧客ベースのおおよそ1/3をシャットダウンした後にもたらされた。発表時には、Facebookがより大規模なプレミアムパブリッシャーに向けてサービスを提供していくと一般的には捉えられていたが、どうやらアドサーバービジネスから完全に撤退するようだ。

ExchangeWireはOoyalaのアドテク部門SVPのSorosh Tavakoli氏にインタビューを行い、今回の動きがLiveRailやFacebookにとって意味する点や、LiveRailアドサーバー顧客への影響について話を聞いた。

-ExchangeWire: LiveRail社のビジネスの背景について教えて下さい。

Sovosh Tavakoli氏: LiveRailは(私自身が設立し、現在はOoyalaのアドテクビジネスの一部となっている)Videoplazaとほぼ同時期に設立され、アドサーバーの提供とパブリッシャーへの収益ツールとしての役割を担っていました。

彼らの製品は、サードパーティの収益化パートナーと密接に協業するアドネットワークやパブリッシャーの間で非常に人気を得るようになりました。アドサーバーとSSPの提供を組み合わせたようなサービスを提供することで、市場では大きな反響を得ました。

-LiveRailの終了は動画パブリッシャーにとってどのような意味を持つのでしょうか?

彼らの広告サービス商品を利用しているパブリッシャーは他の選択肢を探す必要があります。私個人的には彼らのSSPプロダクトについても不吉な前兆である予感がします。パブリッシャーがビジネスを運営するツールに関して選択肢が狭まることになります。

-LiveRailの競合として、Ooyalaはこのサービス終了によってどんな影響がもたらされるのでしょうか?

市場における競合が一社少なくなったという明らかな利点があります。Facebookがサービス提供を終了した数百もの顧客にサービスを提供できる機会が得られるという点においてもOoyalaにとってはチャンスです。これらの機会をとらえるため、Ooyalaでは以前LiveRailを利用し、動画インベントリーに関するアドサーバー及びプログラマティックソリューションを必要とする顧客に対して、移行費用を現在免除するようなサービスを提供しています。

Sorosh Tavakoli氏, Ooyala社

-多くの人々がFacebookはLiveRail及びAtlasの買収によりパブリッシャーディスプレイネットワークを広く構築していくと考えていました。なのに、なぜFacebookは動画広告サービスから撤退するような選択をしたのでしょうか?

独自のデータセットと300万にも及ぶ広告主を利用して、Facebookは自身で管理するプロパティから更にビジネス基盤を拡張しています。これらの元となっているのがAtlasのバイイングプラットフォームで、バイヤーが購入場所に依存せずにFacebookデータにアクセスすることが出来ます。他の側面としては、パブリッシャーのためのツールの拡張であり、このツールによりFacebook側の広告主の予算を獲得することが可能になります。
これらの動きは完全な収益化を行うための(広告サービス及びSSPのような)商品やツールの提供を目的としているのではなく、Facebookに割り振られる予算をより多くするためのSDKや特定のPMP機能の提供を目的としており、Facebookが収益化におけるパートナーや需要ソースとして機能するものです。

-LiveRailのコアビジネスが動画広告販売の自動化であると考えると、市場におけるインパクトはどのようなものでしょうか?

LiveRailの成功の多くは、ダイレクトセールスを自身で管理できる広告プラットフォームとパブリッシャーがプログラマティックによる販売を管理するSSPを組み合わせた戦略に依存していました。このサービスはパブリッシャーが目指す方向性と共鳴していたため、LiveRailの広告サービス終了により、提供サービスは遥かに魅力を失うことになります。今回のアナウンスで多くの企業が、技術提供を主ビジネスとしていない企業に依存している現状を改めて明らかにしています。Ooyalaについては、我々の戦略、DNA、集中する分野は非常に明確です。我々はパブリッシャーへのソフトウェア及びツールを提供し、収益化と持続可能なビジネスを確立するためのサポートをしています。我々はビジネスの選択を脅かすようなメディアビジネスを所有していません。我々はパブリッシャーが、広告サービスとプログラマティック取引の両方を行えるようなプラットフォームを利用してビジネスを展開すべきだと考えています。これらは今後統合されていくからです。

-Facebookは次にどこに向かうと思いますか?

Facebookがアドサーバー及び、今日知られているように実質的にSSPのビジネスをシャットダウンするのは正しい選択のように感じます。彼らは独自なデータアセットを利用して動画広告市場において更にシェアを広げていくでしょう。しかしながらパブリッシャーのプラットフォームに関しては、Facebookは市場から撤退していくでしょう。次にSSPからFacebookが撤退するという発表がされたとしても驚きではありません。

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ジーニーに聞く、SSP事業の現状と今後の事業戦略 [インタビュー]

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2010年に創業して以来、急スピードで成長を遂げてきたジーニー。最新のアドテクノロジーのみならず、ユーザーの満足度を追及している姿勢がそのカギで、自社開発の「GenieeSSP」は顧客のリピート率が95%を超える。

どのような姿勢で顧客や投資家、提携先の心を掴み、今後どのような展望を思い描いているのか。国内SSP事業のビジネス環境や今後の事業戦略について、工藤 智昭 代表取締役社長に聞いた。

(聞き手: ExchangeWire Japan 野下 智之)

SSPは活用フェーズへ

―国内SSP事業の現在の市況について教えていただけますか。

Photo:めでぃ工藤 智昭氏、Geniee社初期の導入フェーズを終えて活用フェーズに入ったと考えています。ポイントは二つあり、まず一つは技術としてより高度なものが求められるようになってきています。もう一点のポイントはスマホアプリです。PCWebとスマホWebに加えて、アプリの活用が活発化してきました。市場は引き続き拡大していると思います。

―2~3年前と比べると、アドテク自体の熱量は落ち着いてきたようにも感じられますがいかがでしょうか。

そうですね、この数年で「アドテクは万能ではない」と皆が理解したのではないでしょうか。すごく伸びている会社とそれほど伸びていない会社の差がついてきました。その中で本物が残っていくのではないかと思っています。

成長のカギは「コミットメント」

―成長を続ける会社とそうでない会社の差はどこにあるとお考えですか。

よりクライアントの売り上げや経営にコミットし、結果がついてきているかどうかだと思います。結果を出せる会社が力強く伸び続けているのではないでしょうか。

―国内と海外の動向とあわせて、直近の業績をお聞かせください。

昨年は前年比で約250%の成長率を達成しました。ほとんどは国内の売上です。要因の一つは、SSPの高度な活用が広がり、主にネットメディアの純広告やプレミアム枠、動画広告などが我々のプラットフォームに載ってきている、という商流に変化した点です。またスマホアプリについても導入事例が増えており、業績拡大につながっております。

―媒体数は何社程度になるのでしょうか。

海外を含むと1万社を超えます。日本だと約6000社ほどです。

最重要指標は「リピート率」

―SSP事業者にとって媒体数は競争力の源泉だと思いますが、なぜここまでお取引先を増やせたのでしょうか。

Geniee SSPを導入いただくと収益が上がるから、ということに尽きると思います。私どもの最重要の指標は満足度・リピート率です。導入したメディアの枠がマネタイズされて収益がきちんと増えるのかをモニターしていますが、かなり高い確率でご要望に応えられていると思います。

また、ネイティブアド、動画、データを活用したマネタイズ――中でも「メディアの来訪データやユーザデータを使いたい」といった新しいニーズもいち早くとらえて、機能としてプラットフォームに組み込んで来ました。こういった姿勢が広く受け入れられたのではないかと考えています。

具体的なビジネス手法については、まず単純に「データの販売」が挙げられます。例えばゲーム系メディアの来訪データを、ユーザーに許可を取った上で広告主側に販売する。広告主はDSPとこのデータを組み合わせることで、適切なユーザーに最適化された広告配信を行うことができます。つまりデータを収益に変えるDMPとSSPを一体でメディアに提供している、とお考えいただければよいと思います。

データを使ったメディアの商品設計や運用のお手伝いも非常に増えています。一つのサイトでも、例えば小中高生がアクセスしてくる掲示板があるとしたら、DMPとSSPを組み合わせることで、小学生・中学生・高校生それぞれで属性を切ってサービスを提供することが可能です。ターゲティングされた商品をより高単価で広告主に販売できるのです。

―貴社はデマンド側でも顧客と取引されているのですよね?

一部代理店や総合代理店などから「特殊なキャンペーンをやりたい」もしくは「メディアにこういう枠を作りたい」「こういうクリエイティブでやりたい」といった要望があった場合には、代理店や一部の大きな広告主と協働することがあります。ネイティブアドは普及フェーズで、まだ試行錯誤の最中です。

―様々な企業から出資を受けていらっしゃいますが、どういう強みをアピールされたのでしょうか。

出資元企業はそれぞれのビジネスでは強みを持っているのですが、広告業界のテクノロジーに関する知見や広告業界へのノウハウがない企業もありました。我々の強みであるアドテクノロジーと、出資元の、例えばデータなどのコラボにより、大きなシナジーが生み出せるのではないか、ということから出資を決断いただいています。

―実際投資を受けた分は海外に投資されているのでしょうか。

海外と日本のプロダクト開発に割いています。

主要メディアは、プログラマティックをほぼ活用

―メディアはいま、プログラマティックに対してどのように向き合っておられるのでしょうか。

Photo2:工藤-智昭氏、Geniee社主要メディアはほぼ活用しています。昔は純広告の余り枠というイメージがありましたが、今はメジャーな枠、一番いい枠、もしくはネイティブ広告用の枠を作ってプログラマティックでやるなど、主要な部分に組み込まれてきていると感じています。

―欧米と比べた日本のプログラマティックの活用ステージはいかがでしょうか。

似ている部分と違う部分があります。日本だとテレビが強く、動画広告の普及は今年以降本格化するのではないかと見ています。ウェブやネット広告の人材についても、欧米ならインハウス化の流れがありますが、日本だとまだ外部委託が大半です。

―ということは、SSPに頼る部分が日本は相当大きいのでしょうか。

そうだと思います。これからテクノロジーやSSPを活用する上では、商品設計まで考える必要が出てきます。ただ枠をいただいてマネタイズするだけでなく、全体を考えたコンサルができるようになりたいと強く願っています。

―なるほど。そのために組織づくりなどで注力されていることはありますか。

アドテク企業なので、弊社の若手社員にも「技術を学ぼう」と常々言っています。あとは社内で海外や日本の最新事例を共有します。共有しながら自分達でチャレンジしていこうという姿勢を推奨しています。

ランチで口説いた東南アジアの協業先

―東南アジアでのお取り組みについてもお聞かせください。最初はシンガポールに会社を作られ、そこからベトナム、マレーシア、インドネシアと進出されて、インドネシアでAdskom(アズコム)に資本も入れられましたね。どういった経緯だったのでしょうか。

Photo3:工藤-智昭氏、Geniee社

Tech in Asiaという、アジアのベンチャーが集まるイベントで出合いました。色々な企業を見ましたが、アドテクをやっていると言える企業は少なかったです。そんな中で見つけたのがAdskomでした。アドテクと呼べる企業はここしかいないと思い、CEOとランチして「一緒に組みましょう」という話をしました。ちょうど資金調達中と聞いたので、我々が出すと言いました。

AdskomはSSPからスタートし、現在はDMPを活用したトレーディングデスクを中心にサービス提供していますが、昨年の1月から1年間で売上単月10倍近い高成長を遂げています。これは弊社の海外部門に迫る勢いです。インドネシアはEC需要が伸びていますが、ECの広告主のプロモーションによく効くのが決済データです。DMPを導入して、彼ら独自の決済データを活用した広告運用を行うのがトレーディングデスクです。Adskomがデマンド側のトレーディングデスク、ジーニーはメディア側を、それぞれ担当し、広告枠とデータを彼らに提供しています。

―タイ、マレーシアではトランスコスモス社とやっていらっしゃいますね。

トランスコスモスさんもグローバルで、東南アジアに力を入れられている中で打診を受けました。我々も人員に制限があり、タイやマレーシアでは展開できていなかったので、「一緒にやりましょう」という合意ができました。

―東南アジア各地の市場規模はいかがでしょうか。

現時点、最も市場規模が大きいのがインドネシアで、最も伸長しているのもインドネシアです。

―東南アジアのプログラマティックの状況についてお聞かせください。FacebookやGoogleのシェアが高く、それ以外の企業のプログラマティックは厳しいのではないかと言う声も聞かれますがいかがでしょうか。

東南アジアにおいて、GoogleやFacebookなどのグローバルプラットフォームの影響力は、日本以上に大きいですが、それに甘んじることなく、自分達でローカライズされた市場を作っていこうという動きがあります。弊社としては彼らのニーズに応えてプラットフォームをローカライズして提供しています。しかし、ローカルのDSPはほとんど立ち上がっておらず、アドネットワークが大半を占めます。DSPはこれからですね。

―その他、プロダクトカットで注力されている領域はありますか。

一つはネイティブアドです。ディスプレイ以外にも、プログラマティックで流通し始めているので、そこに注力しています。取扱高の中でスマホの比率も増えてきており、約半分はスマホWebです。最近アプリが伸び始めていますが、まだWebのパブリッシャーさんが多いですね。
アプリの場合はSDKが必須となりますが、アプリ事業者は、動作が重くなるのであまり複数のSDKを入れたくないため、1社に問い合わせやリクエストが集約されるといった特徴があります。

―日本のプログラマティックの課題、今後のトレンドについてお聞かせください。

利用者への普及活動が今後の課題だと感じています。広告枠をマネタイズするだけのイメージでとらえているパブリッシャーさんも多いのですが、もっといろいろなことができます。どうやって広告商品を設計するか、どんなデータで商品を拡張するかまで目が行っているメディアはほとんどないのが現状です。

―ネイティブアド以外にPMPもずっとやられていますが、需要は伸びているのでしょうか。

PMPを使えるメディアの枠が出てきたのも、有料枠の効果が最も高いと評価されてきたのも最近の話なので、大手のナショナルクライアントを中心に伸びてはいますが、取扱高は業界全体で見てもそれほど高くないと思います。弊社の場合は10%以下程度です。業界平均でもそのくらいではないでしょうか。

日本発のテクノロジーで最後まで伴走する

―最後に、今後の展望や意気込みについてお聞かせ下さい。

グローバルトレンドはありますが、日本には、ネイティブアドやキュレ―ションメディアといった日本独自に発展した文化があります。日本発のテクノロジーで日本やそれぞれのローカル市場に合ったサービスを提供していきたいと考えています。

グローバル全体で見てもツールを提供して効果が出るまで伴走する、結果までコミットするサービスはそんなに多くありません。我々はその姿勢を大切に日本市場や各国と向き合って商品開発を行っていきたいと考えています。

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AOLインターナショナルトップに聞く-Google、Facebookに対抗していくためのグローバル戦略- [インタビュー]

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メディア部門とアドテクノロジー部門を擁するAOLは、広告会社などの買収を重ねてグローバル展開を推進してきた。昨年の米通信大手Verizon(ベライゾン)による44億ドルの買収や、マイクロソフトとの提携など、AOLを取り巻くビジネス環境は激変している。マイクロソフトの広告事業部門に在籍していた社員はAOLへ移籍し、広告事業にも本格的に参入。今年、日本でも新オフィスを作り組織の強化に努めている。今後、グローバルや日本でどのような戦略を描いているのか。海外統括のGRAHAM MOYSEY氏に語っていただいた。

(聞き手: ExchangeWire Japan 野下 智之)


2015年はAOLにとって躍進の年

―ご自身のこれまでのキャリアについてお聞かせ下さい。

デジタルメディア、デジタルテクノロジー業界に20年ほどおりました。まずカナダの大手通信会社、そこからベンチャーキャピタル、インテグレイテッドメディアなどを経て5年ほど前にAOLに入社しました。

―昨年から去年にかけて、貴社のビジネス環境は大変化したことと思います。ベライゾンによる買収などで、貴社の環境はこのように変わったのでしょうか。

2015年は本当にAOLにとって大きな躍進の年でした。グローバルなコンテンツブランドになり、拡張性のあるプラットフォームを築いていく上での必要な投資が実行されたと思います。

Verizonによる買収は、本当に驚くべき素晴らしい出来事でした。我々がグローバルプレーヤーになるために、あれだけの投資をしてくれたことには本当に感激しています。

マイクロソフトとの戦略提携は、グローバルにおいて9地域の市場規模を迅速に拡大する効果をもたらしましたし、優秀な人材も獲得できたと思います。

もうひとつはMillennial Mediaの買収です。これで戦略的なモバイルの一手である、アプリ内のインベントリの進化を深めることができました。これらの提携や買収によって、社員総数は615名も増えましたし、サービスのユニークユーザー数が3億から7億へと増えました。米国以外の市場も拡大を続けています。

巨大組織ではコミュニケーションが最重要

―非常に大きな組織になりましたが、新しい組織作りはどのように進めていらっしゃるのでしょうか。

海外統括、GRAHAM MOYSEY氏

いろいろなことを学びましたが、コミュニケーションが一番大事です。意思疎通が成功のテコです。Millennial MediaとMicrosoftとVerizon、これにAOLの4つの文化が一つになった訳です。そのため、共通の目標を持って、戦略的意思決定は適材適所に任せるようにしています。

グローバルでは、その国にあった製品や商品を厳密に考え、意図的にしっかりコミュニケーションをとるようにしています。この8か月間はいろいろな経験の共有が進み、大成功だったと考えています。

―日本で分散されていた各事業部門のチームを今回一つのオフィスに統合されましたが、他の地域でもこのような動きがあるのでしょうか。

意思疎通が大切なので、チームが一緒にいることが大切です。カナダではすでに実行されています。これから数か月の間に英国、ドイツ、フランス、スペイン、イタリア、ブラジルと進めていく計画を立てています。

日本のAOLはフルスタック市場

―地域ごとの事業の状況と、日本の位置づけについてお聞かせください。

AOLの戦略として、コンテンツとテクノロジーの2つにフォーカスしています。日本は両方の資産がフルスタックで備わっている市場ですので、戦略としてはコンテンツからアグリゲ―ションしたデータを、ファーストパーティのテクノロジーにフィードして利益を上げる、という方針をとっています。

欧州、北米は既に成熟している市場ですので、日本を含むAPAC地域という成長市場をこれから特に大切にしていきたいと考えております。

モバイルと動画広告市場の成長を確信

―グローバルで、ディスプレイ広告とビデオ広告の領域でプログラマティックビジネスの動きが進んでいます。この市場環境をどう認識し、どのような戦略をお考えでしょうか。

この業界の特徴として、とても変化のスピードが速いことが挙げられます。この動きに対応すべく、モバイル動画とビデオに我々も相当の投資をしていますし、今後も続けていきます。その理由はユーザーのふるまいがモバイルと動画に移行しており、広告支出もそちらに移行しているからです。

AOLはマルチデバイス/クロススクリーンで表示できるようにするコンテンツと、さらに広告配信のトラッキングを全画面で可能にするビジネスをやっていきたいと考えております。モバイルと動画はこれからも成長を続けると確信しています。

―インストリーム広告とアウトストリーム広告の2種類がありますが、グローバルでみた場合に貴社はどちらによりポテンシャルを感じて、投資比重を高めていますか?

我々は両方に投資しています。アウトストリームは今のところインストリームより多いのですが、だからといってインストリームが重要でないということはありえません。技術的には両方に対応できるように備えています。

―まだ流れを見定めるには早すぎるということでしょうか。

そうですね。ユーザー体験がプラスに、ポジティブになるところに投資をするのが我々の戦略です。いろいろなフォーマットがありますが、リッチメディア、ターゲティングされていること、レリバンシーが高いことを重視しています。今後も広告フォーマットや動画はどんどんかわっていくでしょう。ですから、ユーザー体験がベストになるものにこれからも投資をしていくつもりです。

アドブロックにはユーザーとのバリューエクスチェンジの実現により対応

―グローバルでも課題になっている、アドブロックなどに対するソリューションは何かお考えでしょうか。

2つの切り口から対応しています。ひとつは純広告です。リッチメディアを念頭においた投資を強化し、それによってユーザーに(広告を見たくなるような)おもしろい体験を提供していきたいと考えています。2つ目はデータです。ユーザーと1対1の関係、つながりを作っていけるような投資をしていきます。

アドブロックの議論については、ユーザーとパブリッシャーとの間で機能するバリューエクスチェンジ的なマーケットプレイスが出来上がれば対処できます。最も価値あるデータにアクセスでき、ユーザーにとって最も重要な広告だけが送られるような仕組みにする。アドブロックが話になるのは、それをユーザーが選んでいるということで、つまり現在の広告に非常に不満を持っているということです。期待にそぐわない、という意思の現れとも言えるでしょうか。リッチメディアの美しい広告に投資し、1人1人に最適のターゲティングをされた広告にも投資をしていく予定です。

―欧米で一般的に認識されている、広告主のプログラマティック対応のトレンドについてお聞かせ下さい。広告主が代理店を通さずにインハウス化が進み、直接ダイレクトに投資する動きがある、と言う話と、そうではないという話の双方があります。いかがでしょうか?

インハウス自体は確かにありますが、代理店は存在意義があると考えています。データが新しい価値になるからです。つまりエージェンシーとクライアントがデータを共有化し、双方がそこから利益を上げられれば両者の協業は成り立つ訳です。

社内で堅牢なプログラマティックなものを、広告主と一緒に作る例はあるにはありますが、今後も代理店モデル自体は維持され続けるのではないでしょうか。

GoogleやFacebookへの対抗手段は、コンテンツとテクノロジーへの投資とオープンエコシステムの構築

―今後グローバルでGoogleやFacebookと競争してく上で何を重視していらっしゃいますか。

データに関してのAOLの戦略は、ユーザーのアセットから得られたファーストパーティ-のデータを活用する、というものです。この戦略は非常に成功しています。米国内ではVerizonの傘下に入ったことで、同社の端末から得られたデータを技術プラットフォームに乗せて活用することで他社との差別化を実現しています。

AOLはコンテンツとテクノロジー両方に投資をしていきます。テクノロジーの強みでいろいろなデータを作って、代理店などと共同で制作して商品化、配信していく。これはFacebookやGoogleにはできない大きな強みと言えます。また当社はオープンなエコシステムを常に標榜してきたのも、この2社との差別化要因の一つとも言えますね。

日本市場は今ある資産を最大限に活用

―今後のグローバル戦略と日本の戦略について、ローカライズの視点なども踏まえてお聞かせ下さい。

グローバル戦略はやはりコンテンツとテクノロジーの投資です。もう一つは動画とモバイルにフォーカスする、という点です。

日本市場は(オフィスが一つになった)今日が一つのきっかけになると思います。短期及び長期的に、日本の広告スタックをうまく活用していくいことが日本における重要な戦略です。このオフィスの中には、動画のプロダクションルームも備えてわっています。ここで動画コンテンツなど作ってくことができるようにするために、設けました。こうした資産をうまく使って今後はビジネスの成果につなげたいと考えています。いまある資産を、着実に成果につなげていくということです。

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市場に大きな変化をもたらす在庫予約型固定単価取引

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(翻訳:Asia Plus 黒川賢吾)

プライベートマーケットプレースの次の進化と言われる在庫予約型固定単価取引 (Automated Guaranteed)については考えられていたよりも少し時間がかかっているものの、ここ数ヶ月で大きな盛り上がりを見せている。RubiconProject社 mobile marketplace international のVP、Steve Wing氏はExchangeWireに対して、成長の経緯及び将来的な潜在性について語ってくれた。

最近、Googleによるパブリッシャー及び広告主へのプログラマティックギャランティード(Programmatic Guaranteed)の提供予定が確認されたが、これは世界的にデジタルメディアのプランニング、バイイング及びセリングが、全ての形態において自動化に向かっていることを示す好例である。また、メディアオーナーやバイヤーたちからは既存のプログラマティックを利用した活動を補完しさらに広げるために保証サービスを求める声が高まっている。

この背景を理解するのは難しいことではない。在庫予約型固定単価取引は、全ての形態の買手と売手に対して、発見からRPF(提案依頼書)、交渉、配信に至る全ての直接的な販売プロセスを自動化する影響力の大きな取引方法である。全てのことが一つの場所で自動化されるのである。時間がかかり、間違いが発生しがちで、保守的であったマニュアルプロセスを過去のものに追いやる可能性のあるソリューションである。

在庫予約型固定単価取引は過去の取引方法に加えて多くの要素を含んでいる。これはオープンオークション及びプライベートマーケットプレースにおけるプログマティック広告のような、現在まで盛んに行われているものの保証がされていなかったサービスを大きく補完するものである。

在庫予約型固定単価取引の現場の能力及び潜在性を理解するためには、このソリューションが現在までどのように進化してきたいのかを知ることが重要である。この取引は直接販売を如何に改善していくかという側面だけではなく、我々が知っている広告そのものを再定義する技術的な革命としての側面も備えている。

Steve Wing氏、RubiconProject社オンライン広告が90年代後半に大きく成長していく間、デジタルメディアのバイイングプロセスは皮肉なことに、今までの他の広告サービスのバイイングと変わらない非デジタル的な方法で行われてきた。RTBによって市場での取引方法は根本的に変化し、広告主は今までの特定のサイトからインベントリを予約する方法から、特定のオーディエンスをターゲット化するために行動データを用いるように変化していった。

プログラマティックが急激に成長し、市場をより効率的なものに変えていく中で、一つのソリューションだけでは全ての場合に適合しないことも明らかになってきた。オープンな市場取引は全てのケースに当てはまるわけではなく、プライベートマーケットプレースの形態を好むものもいれば、独自の販売ニーズに合致するような、より複雑なソリューションを欲するものも現れた。

在庫予約型固定単価取引は多くの点で取引形態に変化をもたらした。まずは在庫を保証するという点においてである。広告主は予め決められたCPMに基づいて、前もってプレミアムインベントリを独自のフォーマットにおいてバイイングすることが可能になった。一方で、パブリッシャーは初めて将来的に行われるキャンペーンについて在庫保証を提供することが可能になった。ここでいう将来とは、来週かもしれないし、来月、または来年の保証も可能である。次に、集権的なバイイングによる効率化が挙げられる。そしてもう一つは、バイヤーにプレミアムオーディエンスを提供できる点である。プレミアムパブリッシャーの持つインベントリに対して高度なターゲット化を行うことも可能である。

ちょうど先月、我々はExchangeWireリサーチとともにグローバルモバイル広告リサーチレポートを発表し、モバイルの在庫予約型固定単価取引の展開状況についても取り上げた。今年、89%のEMEA地域のモバイルバイヤーが予算をプレイベートマーケットプレース(PMP)に対して費やそうと考え、1/3のエージェンシーがモバイル向け予算の40%をPMPに振り分けるつもりだと回答した。より革新的なエージェンシーや広告主は在庫予約型固定単価取引にモバイルの予算を振り分けはじめている。彼らはPMPのように個別の取引を自動化する一方で、事前に決定された価格においてインベントリを保証する形の取引に目を向けている。我々は現在二つの明確なトレンドを目の当たりにしている。消費者のモバイル利用と自動化されたプログラマティック広告の急激な成長である。

在庫予約型固定単価取引の潜在性は「伝統的な」デジタル広告の世界のさらに先を行く可能性を秘めている。在庫予約型固定単価取引はデジタル広告におけるワークフローの効率化に留まらず、全体的な広告のエコシステムにおけるメディア取引プロセスを大きく変化させる可能性がある。

例えばRubiconProject社は英国最大のOOHメディア取引のプラットフォーム事業を行うBitPoster社と2015年9月に戦略的なパートナーシップ提携を行ったが、これにより彼らのネットワークに在庫予約型固定単価取引をもたらすことが可能になった。さらに最近の事例でいうと、テレビ視聴者への活用事例があげられる。Media Properties Holdings社のAdMore事業との提携により、米国において広告主に1億を超えるNielsen社のモニター視聴者でもあるテレビ所有家庭へのアクセスを提供することができるようになった。

伝統的な広告方法への自動化テクノロジーの採用は、全てのメディアタイプの進化へと続いていく。潜在性を考えると、まだ表面をかじりだした程度の話にすぎない。

今後より多くのマーケターがクロスデバイスやセカンドスクリーンを通じた消費者との結びつきを求めるようになる。在庫予約型固定単価取引のプラットフォーム内で、アウトオブホーム、デスクトップ、モバイル、伝統的なテレビに至るまで様々なメディアフォーマットのターゲット、交渉、購入を行えることは、産業のゲームチャンジャーと成りうる可能性を秘めている。

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AppNexus社のアウトストリーム動画エクスチェンジ: AppNexus社ビデオテクノロジー部門SVPのEric Hoffert氏へのQ&Aセッション

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(翻訳:Asia Plus 黒川賢吾)

AppNexus社のアウトストリーム動画サービスはバイヤー向けのサービスがスタートし、パブリッシャー向けには4週間のテストが行われたところだ。AppNexus社のビデオテクノロジー部門のSVPであるEric Hoffert氏がExchangeWireに対してアウトストリーム広告、ビューアビリティ、エンゲージメントに関して、また彼らのターゲット顧客について話をしてくれた。

―ExchangeWire: AppNexus社のアウトストリーム動画エクスチェンジについて結果や顧客からの反応を訪ねるのは時期早々でしょうか?

Eric Hoffert氏: AppNexus社でアウトストリーム動画マーケットプレイスをローンチしてから僅かな時間しか経っていませんが、定量的・定性的の両面においてポジティブな結果が出ています。測定可能な面から述べると、アウトストリーム動画マーケットプレイスのCPMは10USドルに至り、私たちの動画プラットフォーム全体の平均を上回る結果となりました。

パブリッシャーからのフィードバックに関しては、あるプレミアムニュースパブリッシャーがAppNexus社のアウトストリーム広告サービスを私たちの動画広告配信機能とともに利用して、平均して15USドルのCPMという望ましい結果を生み出しました。別の食品及び飲料企業はアウトストリーム広告への投資を増やして、25もの異なるドメインでキャンペーン及びVPAIDサービスを展開し始めています。ある月間UUが1億を超える人気のインターネットサイトは初期結果に満足し、次の様なフィードバックをくれました。「素晴らしい結果、素晴らしい進捗だ。非常に感謝している!」。彼らは、サイトのKPIを維持しながら、ネイティブ動画のユーザーエクスピリエンスを保ち、自然なサイトとの融合がなされている点にも高い評価をしています。私たちはサービス一般公開前でのクライアントからの非常に高い評価に非常に満足しています。

新たなアウトストリームのインベントリがパブリッシャーから提供されるのに加えて、私たちはTeads社のケースを好例として捉えています。彼らは私たちのプログラマティックによるオープンエクスチェンジのマーケットプレイスを利用して、プレミアムなアウトストリームのインベントリを提供し、優れたCPM及び競争力のある視聴完了率を成し遂げています。

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―アウトストリーム動画広告は他の動画広告とどう異なるのでしょうか?

アウトストリーム動画は全ての種類のパブリッシャーが動画広告によって収益化を行える機会を提供しています。インストリーム動画と異なり、アウトストリーム広告は動画コンテンツとは異なる場所で、通常テキストコンテンツの段落の境目部分に配信されます。そのため、パブリッシャーはアウトストリーム動画広告を利用する際に自身の動画コンテンツを持つ必要がありません。

―アウトストリーム動画はネイティブ広告なのでしょうか?

はい、アウトストリームはネイティブ動画と考えてよく、またインリード、インフィード、インテキストとも言えるかもしれません。アウトストリーム動画については、独立したパブリッシャーがFacebookのインフィード広告フォーマットを提供したり、Twitterのファーストビューのインラインの自動広告を自身のサイトで提供する様なものだと考えられます。

―どうしてアウトストリーム動画は高いビューアビリティやエンゲージメントを保証できるのでしょうか?

バイヤーが全ての主要なスクリーン上で、且つ彼らのメディア消費にあった形で消費者にリーチをしたいという要望が今まで以上に高まっています。動画はマーケターや広告主が彼らのターゲット消費者にリーチし、ブランド認知を上げ、魅力的なコンテンツを用いて消費者を説得するための非常に大きな可能性を秘めています。

アウトストリームはビューアビリティ向上を考えるバイヤーにとって非常に魅力的です。というのはアウトストリーム動画は消費者が視聴状態にある時にしか開かれないからです。アウトストリーム動画は殆どの場合、オーディオがオフの状態に視聴されることが多く、オーディオがオンの状態で視聴されるインバナー動画とは対照的です。アウトストリーム動画は動画遅延を減らす様な形で配信されます。これはユーザエクスプリエンスやエンゲージメントを考えると非常に重要な点です。

―サービス開始時に、AppNexus社はアウトストリーム広告におけるオープンなアプローチはYouTubeやFacebookによる閉じられたアプローチよりも優れていると強調していました。これについて説明をしてもらえますか?

GoogleやFacebookのような閉じられたサービスでは、彼らが購入を促進する限られた種類の動画インベントリへのアクセスのみが提供されており、価格や選択の自由など、開かれたマーケットという観点では不十分です。これらのサービスは技術的にも「閉じられた」システムです。閉じられた動画購買のプラットフォームにおいては、売り手と買い手は規定されたインターフェース以外でのやりとりが許されず、クリエイティビティの面で問題を抱えています。

AppNexus社が8年以上前に設立されて以来、私たちはオープンなプラットフォーム、自由な選択、顧客の関心を尊重することにフォーカスしてきました。私たちは買い手のキャンペーンにおける動画インベントリの選択において、できる限りの柔軟性や透明性及び管理能力が与えられ、一方売り手は自分たちの考えるやり方で収益化すべきだと考えています。この柔軟性について最適な例がAppNexus社のプログラマブルビッダーサービスで、マーケターがインベントリの購入にあたって独自の方法を採用することができます。

私たちはオープン型の動画マーケットプレイスが優れていると考えています。より多くの参加者を募ることが出来、価格競争があり、流動性があり、自分たちのキャンペーンにあったインベントリを見つけることができます。AppNexus社がインストリーム型とアウトストリーム型の両方のインベントリへのアクセスを提供しているのは、私たちのオープンなアプローチを示すものです。

―オープン型のエクスチェンジでは、不正なトラフィックが増加するリスクがあります。AppNexus社はどのようにして、このようなトラフィックに対処し、アウトストリーム型の動画エクスチェンジを展開するのでしょうか?サードパーティによる検証機能などを備えているのでしょうか?

データサイエンスによる自動化とマニュアル対応によって、AppNexus社は非常に高いインベントリ品質の標準を掲げ、消費者、広告主、パブリッシャーなどにとって最適なエコシステムを作り上げています。

特に動画対応に関して取り上げると、適切な動画サイトであるようななりすましサイトや、パブリッシャーと直接やりとりをした記録のないネットワークからの再販インベントリを閉め出すなど、高品質のインベントリを保持するための多くの対策を打っています。今後も、適切な動画インベントリを保持し続けるための品質技術を改善し続け、安全で活気のある動画マーケットプレイスを提供していきます。

―アウトストリーム動画広告はどういった顧客を狙っているのでしょうか?

多くのパブリッシャーがテキストのみをサポートしています。私たちは動画広告に大きな可能性を見出しています。インストリームの市場よりも大きな市場になる可能性を秘めています。

―自社動画コンテンツを有しているパブリッシャーにとっては、サービスが重なり合う部分もあるのではないでしょうか?

私たちは動画パブリッシャーやOTTにとって、まだ開拓仕切れていない市場があると考えています。例えば、放送メディア企業がテキストだけで構成された自分たちのページにアウトストリーム広告を使って、放送動画コンテンツのサイトに導く様な利用方法です。同じ様な方法でテレビや映画コンテンツを外部のテキストだけのページに表示させ、自社のサイトに誘導させるようなことも可能です。これらのフォーマットが競合しあっているとは考えておらず、インストリーム型とアウトストリーム型の組み合わせによって動画マーケットプレイスは更に成長すると考えています。

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カジュアルゲームアプリ開発者から愛されるSSP、「アドフリくん」が仕掛けた次のステージへの道 [インタビュー]

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モバイルアプリ開発者向けを中心に提供されているSSP「アドフリくん」を運営するADFULLYが、2016年5月にカイトと共同でアプリ内課金の導入サービス「アイテムSTORE」の提供を開始する。

これにより、SSP「アドフリくん」を利用するスマートフォンアプリ開発者は、アプリ内課金システムを簡単に導入することが出来、広告のみならず課金による収益を得ることが可能となる。

同社SSP事業について、そしてSSPがアプリ課金ビジネスに関わるというユニークな取り組みの背景や目的について、同社代表取締役社長 小室喬志氏に聞いた。

(聞き手: ExchangeWire Japan 野下 智之)

「アドをフリ分ける。」が語源の「アドフリくん」ビジネスについて

―自己紹介をお願いします

Photo私は、もともとADFULLYの前身のSSP事業部があった寺島情報企画に入社してから11年になります。音楽やゲームなどのガジェット好きだったのが入社のきっかけです。最初にフィーチャーフォンのキャリア公式着うたサイトビジネスに携わり、動画サイトの立ち上げもしました。当時、収益の柱であったデコメサイトのビジネスを任され、2年ほど公式サイトのランキングで1位をキープしました。その後2013年に新規事業として立ち上がったSSPサービス「アドフリくん」の初期メンバーとして、メディア営業を任されました。そして2015年8月に事業分割により、SSP事業会社ADFULLYを設立、現在代表を務めています。

―貴社のサービス、ビジネスモデルについてお聞かせください

ADFULLYは、SSP「アドフリくん」を中心に事業をしています。メディアの収益性最大化の他に、媒体の広告在庫が切れた場合のリスクヘッジをするのが本来のSSPの役割です。

しかし当社の場合は、メディアのために、アドネットワークの登録申請や支払い代行も行っています。例えば一つのアプリが20社のアドネットワークを導入する際に、アプリ運営者側の作業負荷は大きくなります。そのようなとき当社が代行サポートをします。

また、複数のアドネットワークからの支払いを当社が一本化するというサポートもしています。このサービスは個人や中小企業のデベロッパーさんから、非常に助かるという声を頂いています。

―「アドフリくん」というサービス名の由来を教えてください。

アドフリくんPhotoデコメのキャラクター「フリフリくん」が由来です。サービス名を考えるときに、SSPはアドを振り分けるから「アドフリくん」でいいのではないかということで、この名称になりました。

―社内の組織体制についてお聞かせください

現在全社で10数名ですが、開発だとサーバーサイド、SDK開発、サポート、テストなどの担当がいます。

営業は、メディアサイドと、クライアントサイドの運用担当、アドネットワークとのやり取りをするフロントがいます。

―クライアントというと、広告主のことですか?

基本的にはアドネットワークや広告代理店とのやり取りが多いです。

いいものが出来たので外部に提供を開始した、「アドフリくん」のきっかけ

―モバイルコンテンツプロバイダーの貴社がなぜSSPビジネスに参入したのでしょうか?

もともと寺島情報企画がフィーチャーフォンの公式サイトビジネスからスマートフォンビジネスに移行しようとしていた事が背景にあります。新サービスを模索している中で、100%子会社のテクノードが、「Touch the Numbers」というアプリを広告マネタイズモデルで大成功させ、「広告モデルでもいける」という判断から、広告マネタイズでアプリビジネスを進めていきました。その時に、社内で、複数のアプリ、複数のアドネットワークの管理ツールとして作ったのが、今の「アドフリくん」につながっています。この時点ではアドネットワークのスイッチング機能を1SDKで作った、そしてそれを使わせてほしいというメディアさんがいらっしゃったので、2013年3月に社外にサービス提供を開始したという流れです。最初は4メディアからのスタートでした。

「ゲームだとやはりアドフリくん」と言われる理由

―事業規模や直近のトレンドについて、お差支えのない範囲でお聞かせください。

つながっているアプリ数は、累計で現在6500~7000ほどあります。当社は売上の9割以上がアプリ面からです。

アプリ開発者の間では、「ゲームだとやはりアドフリくんだよねー。」と、言って頂けることも多くなり、その結果、提携アプリにはゲームアプリが多くなりました。

PC Webサイトと比べるとアプリはユーザートラフィックの波が大きく、在庫が安定しないのがビジネス面での難点です。ですので、在庫を安定させるためには、いかに毎月ヒットアプリを仕入れることが出来るか、あるいはヒットしそうなアプリを探して提携することが出来るかという目利きが大切です。

―ゲームアプリ開発者からの支持が多いのはなぜなのでしょうか?

我々としてはゲームに特化するつもりがなかったのですが、最初に使ってくださった方が、著名なゲームアプリ開発者でした。これがコミュニティーの中で広がっていき、皆さんが使ってくれるようになりました。また私もコミュニティーに呼んでいただけることが多かったです。これも、もともとは私たちがメディア側の人間だったからかもしれません。

また、カジュアルアプリのマネタイズというと、どうしてもゲームが中心になるということも理由の一つです。また、アプリでインプレッションが多いのも、結局はゲームだったりします。

―SSPの業界でも、しばしば貴社の良い評判をお聞きしますが、その理由についてはなぜだと思いますか?

アプリ向けのSSPは、あまり多くないのが現状です。在庫も安定せず、サービスを利用いただく際にSDKを実装いただくのも大変です。こうした参入障壁が高いところで、当社が粛々と取り組んできたからでしょうか。

あと、アドネットワーク事業者がたまに当社のメディア開拓営業を支援してくれることがあります。アドネットワークがメディア営業の時に、戦略上「アドフリくん」をメディアさんに推奨してくれることがあったりもします。これは、当社が自社でアドネットワークを持たない中立な立場のSSPであることも一因かなと思っています。

メディアの想いが体現化されたSSPサービス

―「アドフリくん」は、「メディアの立場からのSSP」を強みに謳っていますね。実際にそのことがどのようにサービスに反映されているのでしょうか?

メディアの立場になった時に、「こうあるべきだよね」というところがちゃんと出来ているのがポイントです。それにより「アドフリくん」をご利用いただいているメディアさんとの接点となるサービスが、ご好評いただいています。SDKの実装のしやすさや、管理画面の見やすさなどに反映されていますし、サポートやコンサルなどでも、我々のように、元々メディアをしていたものが訪問した方が、親身になって話を聞いてあげられると思います。

我々がサービスをリリースした当時は、1SDKで複数アドネットワークを導入できるSSPサービスは極少数でした。当時は、複数のSDKを導入し、それをスイッチングするタイプのSSPが主流だったのです。当時はこれも我々がメディア経験があるからこその独自性でした。アドネットワークからのレポートも全て透明性を確保しています。

また、デベロッパー向けのコンタクトセンターの対応も評価いただいています。対応を受けたアプリ開発者の方たちが、Twitterで対応の良さをコメントしてくれたりもしています。個人のアプリ開発者の方たちは、ソーシャルで仲間とつながっていて、色々なサービスの情報交換をしています。このような場での評判をいただいていることも、アプリ開発者の方からの広い支持につながっているのではないでしょうか。

「アドフリくん」の想いは「カジュアルアプリ開発者もプロモーションが出来る環境に。」

―現在スマートフォンメディア・アプリビジネスの現状はどのような状況でしょうか?

スマートフォンアプリの売上は、圧倒的に課金ゲームに偏っています。一方で、広告主も課金ゲームだったりします。アプリストアのトップセールスも、課金ゲームが常連です。そして、課金ゲームの広告主は、広告出稿先としてカジュアルゲームとの相性がよいというのもまた事実です。

大手ゲーム会社のアプリストア参入により、広告モデルによるカジュアルゲームがヒットタイトルを出すことは難しくなってきており、アプリストア全体に有名タイトルがトップランキングを占める成熟感があります。面白いゲームを作っても、大手資本の課金ゲームとの競合が激しくなり、ランキング入りが難しく、ユーザーに見つけられなくなってしまっています。

我々は、面白いカジュアルゲームを生み出してきたアプリ開発者にお世話になってここまでこられました。なので、この状況を何とかしたいと思っています。カジュアルゲームアプリ開発者も広告を出稿するなどによりプロモーションが出来る世の中になってほしいと思っています。

―なるほど、先日リリースしたカイトとの提携の背景には、そのようなところにあるのですね?

はい。カジュアルゲームアプリ開発者が抱えている、プロモーションに関する課題を解決する一つの答えになるのではないかと思い、カイトさんと提携しました。

カイトさんの「アイテムSTORE」というサービスは、アプリ開発者が簡単に課金システムを実装できるMBaaS(Mobile Backend as a Service)です。

これにより、アプリ開発者が課金実装の開発工数を大幅に下げることが出来ます。

「アドフリくん」がカイトさんと組んで課金実装サービスを提供するのは、カジュアルアプリ開発者が広告出稿できるような世の中を作りたいからです。カジュアルアプリ自体を次のステージに押し上げたいと思っていて、そのために今年我々が打ち出したいと思っているメッセージは「カジュアルアプリに広告と課金システムを標準実装していきましょう」です。

我々が課金ビジネスをする意味はもう一つあります。課金をした人が誰かが分かるようになると、そのユーザーにターゲティング広告を配信することが出来るようになります。データが蓄積されれば、高額課金ユーザーへのターゲティングも可能になります。通常このようなデータは広告主が持っていますが、門外不出の宝の山ともいえるデータです。我々もそのデータを活用することが出来るようになります。これを広告商品化していきたいと考えています。

課金システムを導入することで得られる3つのメリットとは?

―「アイテムSTORE」を実装するためのコストはどのようになっているのですか?

Photo

通常は月額料金がベースでその他追加機能の利用などでオプション料金がかかりますが、「アドフリくん」を導入しているアプリに実装する場合は月額料金が無料になります。

「アドフリくん」と「アイテムSTORE」を一緒に導入すれば、アプリ開発者の広告と課金システムの両方の実装のハードルが下がるということです。このサービスは、5月から提供を開始します。

アプリ開発者が課金システムを導入するメリットは3つあります。1つは課金の売上がプラスになること。2つ目は、広告単価が上がることです。課金システムを実装することでカジュアルアプリ自体が課金ユーザーを抱えることになります。するとカジュアルアプリの大勢の広告主である課金ゲーム会社にとってのメディア価値が上がることになります。このことが広告収入に還元されるようになります。そして3つ目が、我々が今推し進めている動画リワード広告フォーマットと課金との相性の良さです。アプリの中で課金をする人は、10%前後。それに対して絶対課金をしない人たちもいます。その人たちに動画を見せて広告収入を得られます。ユーザーに選択肢を与えられる、動画リワードと課金システムを入れることで、相乗効果が生まれるのです。

カジュアルゲームにおける動画リワードの売上構成は現在、2割~5割を占めるに至っています。

現在、カジュアルゲームが、通常の広告のみで稼げるのは、1ダウンロードあたり10円~50円、良くても80円~100円という状況です。我々は、広告と課金システムの導入をしていただくことで、150円~200円に達することを目標にしています。この金額に達すれば、カジュアルアプリ開発者がプロモーションできるようになるのです。

これにより、カジュアルゲームのビジネスも数段階上がっていくことが出来ます。

我々はいつもセミナーで、「国内からも「CandyCrush」や「Crossy Road」のようなグローバルヒットタイトルが出て来るといいよね。」と言っていますが、本当にそういう市場にしたいと思っているのです。

―通常SSPは広告マネタイズの最大化にフォーカスしていますが、課金マネタイズもセットでという提案は、発想として面白いですね。

従来のSSPという概念にとらわれずに、サービスを進化させて行きたいと思っています。我々はもともとアドテクの会社ではなく、メディア出身です。「アプリが儲かる方法って、他にもあるよね。」という感覚のもと、従来のサービスにとらわれない動きをしたいと思っています。

カジュアルゲームアプリ開発者とともに、次のステージへ!

―国内のSSP事業環境についてお聞かせください

PCWebの領域ではプログラマティックな取引が主流ですが、アプリの領域ではまだそのような市場にはなっていません。Webの世界ではGoogleが絶対強者ですが、アプリの世界ではまだそれが定まっていないように思います。アプリの領域ではSDK実装のハードルや、メディア在庫量が安定しないというようなこと、ターゲティング情報が少ないなど、PCWebとは全く異なる状況が繰り広げられています。

動画広告やDSPなども、ようやくアプリ領域で流行り始めてきましたが、アプリならではのフォーマットにいち早く対応していくことが、業界をリードしていくポイントなのかなと思っています。ただ、間違えてはいけないのは、アプリもPCWebと同じテクノロジーの道をたどるであろうということです。

アドテクはどんどん進化しています。出来ることもどんどん増えていますのでそれをキャッチアップしていく必要はあります。アプリ領域においては、それと同時にアプリ開発者や、アプリユーザーのニーズを敏感に感じ取って、しっかりとそちらも対応していくという両輪で行っていくことが重要だと感じています。

―他社と比べてこの点は負けないというポイントについて、お聞かせください。

我々は、カジュアルゲームアプリ開発者さんと一緒に、次のステージに行きたいと思っています。この強い気持ちはどこにも負けていません。だからこそ、カイトさんと提携をしたり、UUUMさんと組んで、YouTuberのプロモーションやIPの提供を「アドフリくん」の顧客限定で格安でご提供するというような取り組みもしています。先日も、バンダイナムコさんが、当社サービスを「カタログIPオープン化プロジェクト」の公認のマネタイズツールとして指定していただきました。

このような、ゲーム寄りの提携を増やしています。

従来のSSPの役割だけでは足りないと思っておりこのような取り組みを進めています。

次のステージに、中小のアプリ開発者さんを下からググッと押し上げる気持ちで、アプリ支援事業を進めていきたいと考えています。

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東京五輪を見据えたインバウンド需要の高まりを機に日本参入、ADARAが推奨するトラベルデータの有効活用 [インタビュー]

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2015年2月に日本市場に参入したADARAはトラベルデータに特化したデータプラットフォームだ。航空会社やホテルなどからユーザーデータを収集し、これをもとに精度の高いターゲティング広告を配信するサービスで、グローバルではトラベル業界を中心に90社以上のデータパートナーを持つ。参入の背景やビジネスモデル、日本市場の特徴などを、同社コマーシャルディレクターの森下順子氏に伺った。

(聞き手: ExchangeWire Japan 野下 智之)

トラベルデータはマーケッターに非常に有用

―自己紹介をお願いします。

90年代後半からAOLJapanの立ち上げに携わるなど、オンライン業界のキャリアは非常に長いです。その後Infoseekのプロデューサー業務、2002年にはOverture Japanの立ち上げに参画、2005年からは後にMSに買収されるAtlasの日本立ち上げを一人で担当しました。2008年から、MSJapanの広告部門に移り、マイクロソフトメディアネットワークやアドエクスチェンジ、Win8のアプリのアドネットワーク構築など、比較的新しい広告領域を担当させていただきました。今年1月から、ADARAに移り、日本事業の立ち上げを担当しています。

―もともと、ADARAはどういった背景で設立された企業なのでしょうか。

2009年にアメリカ・カリフォルニア州のマウンテンビューで設立されました。創設者でCEOのレイトン・ハンは、オンラインロイヤリティマーケティング会社「MyPoint.com」の事業開発責任者として多くの旅行企業にポイントプログラムを導入、後に同社をユナイテッド航空へ売却した経緯があり、旅行業界のデータの有用性に目をつけ、元IBM Researchの立ち上げに関わったデータサイエンス領域の豊富な専門知識を持つ共同創設者のチャールズ・ミーとともにADARA Magellan プラットフォームを開発し、旅行データを活用した分析サービスをマーケッターへ提供するためにADARAを設立しました。

―なぜ旅行データがマーケティングに有効なのでしょうか。

Junko Morishita, ADARA社

理由は4つあります。まず1つ目は、データが集めやすくリッチであること。フライト、ホテルの検索まででも、先につながる顧客のプロファイルがかなり見えてきます。レジャーかビジネスか。ファミリーかカップルか一人旅なのか。旅行サイトの情報から見えて来るオンライン旅行データは収集しやすい上に非常にリッチです。

2つ目は、多くの行動様態が接続されていることです。フライト検索したらホテル、エリア、価格などが紐づきますし、行先でレンタカーを借りたり、ローカルのアトラクションを予約したり、などいろいろなデータがつながりやすい特徴があります。

3つ目はデータをつなげると、オーディエンスの顔が見やすくなることが挙げられます。そうすると旅行のパターンも見えて来ます。 年に4~5回日本にフライトで来ていて、日程は現地月曜日発、金曜日のフライトで帰国する旅行者であれば、これは明らかにビジネス出張者と想定できます。となると、一定の期間でアメリカ-日本間をエコノミーで飛んでいるとしても、ビジネスユースならそれなりのクラスのホテルを使うだろうと推測しやすいのです。グローバルでこうした予測が可能なことも強みです。

最後に拡張性です。インバウンドだけでなくアウトバウンドや国内を組み合わせたプランも提供できますし、プロファイルが見えるとビジネス出張者に向けて車のキャンペーンをあてたり、年に何回かハワイに旅行するファミリーには免税店で見るようなラグジュアリーブランドの広告をあてるといったことが可能ですので、旅行以外の他の業種に展開も可能です。

―いろいろな業種のクライアントがいらっしゃるのですか。

グローバルでは旅行を中心にカードや車などの業種のクライアントもいらっしゃいますし、現地のデパートやローカルイベント誘致などのニーズもあります。国内は旅行中心ですが、ラグジュアリーブランドやメーカー、金融など様々な業種の企業様と連携が考えられると思います。

強みはファーストパーティーのトランザクションデータ

―貴社のサービス、ビジネスモデルについてお聞かせください

まずベースとなる事業は、グローバルの旅行関連データを保持する旅行ブランドパートナー企業と提携し、データパートナーのデータをベースに、旅行キャンペーンやオーディエンスターゲティングなどの広告サービスを展開していくというものです。

―DMPとは異なるのでしょうか。

DMP各社は、主に提携データパートナーサイトの行動履歴データをDSPに販売し、様々なターゲティングに活用する、というビジネスをされていると思います。しかしADARAの場合はあくまでも、提携パートナー様のファーストパーティーデータを弊社のDMPに保管・管理を、自社のDSPでキャンペーン設定から配信まで行っているというところが一般的なDMPとは異なるところです。グーグルダブルクリックや主要SSP、アドエクスチェンジなどが配信先、という点では同じです。

旅行消費インサイトを活用したADARAのリアルタイムマーケディング

―他社と比べた場合のユニークポイントについてお聞かせください

主にパートナー企業からいただいた旅行予約や購入データ等のファーストパーティデータをベースに、広告メディア事業を展開している点です。そのデータを預かっているパートナー企業のデータマネタイゼ-ションのサポートや、それに加えて様々な広告インサイト、ユニークなトラベルデータ、旅行者の情報などを加味した分析サービスも展開しています。

キャンペーンレポーティングにも特徴があります、配信レポートはインプレッションやCTR、CVRなどのコンバージョンデータと旅行に紐付いたプロファイルデータを組み合わせて提供します。コンバージョンしたユーザーはビジネス目的かレジャーか、紐づけを裏側のデータを元に行える訳です。

同様に、インバウンドキャンペーンでもコンバージョンした旅行者の出発地と行先を紐づけた形でのCVRの違いなども分析できます。ロイヤリティデータとの紐づけも、一部提携企業様とは可能です。トランザクションだけでなく、例えば航空ならマイレージ、ホテルならメンバーシップなどですね。
メンバーのクラス、つまりエコノミーかエリートか、非常に頻繁に旅行するのかそうでないのか、といったロイヤリティデータと紐づけたキャンペーンレポートも提供しています。そうすると、一つずつのコンバージョンの背景を非常に深く分析できるのです。

現在はフルサービスモデルで、提案からキャンペーン設定、配信、レポーティングまで全て自社で展開しています。販路は直販と代理店様経由との両方です。

―扱っているトラベルデータについて詳しく教えていただけますか。

まず全てファーストパーティーデータという点が特徴です。提携しているパートナーはホテル、航空会社、予約系サイトや旅行情報のメタサーチサイトが中心です。デルタ航空、ユナイテッド、ホテルはハイアット、マリオット、レンタカーのハーツなど、グローバルで90社以上にのぼります。サイト内を訪れたユーザーがいつからいつ、どこからどこへ遷移したかなど、予約のトランザクションデータもDBに入ってきます。

特にユニークなのは、このトランザクションデータまで見られる点だと考えています。旅行の関心層ではなく顕在層、つまり旅行に行くことがすでに決まっている層をターゲティングできるところが他と大きく異なる点です。よりデータの濃度が濃い、より顕在層、明らかに旅行に行く人をターゲティングできるのが差別化ポイントとなります。

東京五輪見据え、旅行業界のニーズが増大

―このタイミングで日本に参入した背景をお聞かせください。

ADARAは2年前にシンガポールからアジア進出を始めました。シドニーを拠点にオーストラリアやニュージーランドでサービスを展開し、今年香港と日本に進出しました。アジアでも2020年の東京五輪もあり、旅行への関心度が非常に高まっています。ADARAとしてはそういったニーズの高まりを元に、アジアの中での旅行をより拡大させる目的で日本に進出しました。

特に2020年の東京五輪開催に際しては、旅行業界はいかに訪日キャンペーンを展開するか大きな関心を寄せています。個人的に旅行好きなこともあり、培ってきたアドエクスチェンジに関する知識を活かして4~5年のスパンで、五輪を見据えてチャレンジしていきたいと考えています。

―足元の訪日事業やインバウンド事業のデータパートナー、及びクライアントにはどのような業種の企業が参画されているのでしょうか。

まずグローバルでも日本でも、航空会社様は多いです。あとは旅行代理店や観光局といった、旅行に特化した業種業態の企業から非常に多くの問い合わせをいただいています。加えて、インバウンドだけでなく、 日本の旅行代理店にも、海外旅行者をターゲティングしたキャンペーンに興味を持っていただいており、非常に盛り上がっている印象です。

国内のデータパートナーでは、旅行のメタサーチサービスや外国人向けメディア、大手旅行代理店企業などと提携を始めています。グローバルのパートナーのサイト、ホテルや航空会社などの中で日本語に対応している企業様は、日本からのアクセスデータも含めて分析しています。今後は日本のローカルパートナーもより増やしていきたいと考えています。

―日本のパートナー候補企業とお話しされて、反響はいかがでしょうか。

まずデータパートナーは、プライバシーの問題などで海外と比べてまだまだオープンとは言えません。その一方で、データパートナー候補の企業が広告主になる可能性も非常に高いといえます。グローバルでもデルタ航空やユナイテッド航空に広告主になっていただいています。ニーズ自体は非常に高いので、日本でもチャレンジを続けていきます。

―「データだけ使わせてほしい」という要望もあるのではないでしょうか。

我々のビシネスの強みはファーストパーティーデータのトランザクションデータなので、パートナー企業様と転売をしない旨お約束しています。DSPなどに販売することは現状おこなっていません。

トラベルデータはより長いスパンで

―貴社から見て、日本のマーケッターのデータ活用の現状と課題についてお聞かせください。

「データドリブン」「DMP」がキーワードだと思います。しかし旅行という切り口で見ると、日本の旅行業界ではまだラストクリックモデル、すなわち予約確定をKPIとするような、コンバージョン重視の傾向が強いと感じています。ただ日本のクライアント様ともお話ししているのですが、旅行関連のマーケティングで見るべきは購入だけではないと考えています。旅行のプランニングの消費者行動を分析すると、予約行動よりもかなり前から旅のプランニングを始めるので、そういった潜在層と顕在層の刈り取りが重要です。

米国ではターゲットのマーケティングサイクルを長くとる傾向が強いです。例えば旅のプランニングサイクルで言うと、我々のデータは旅行のパートナーサイトもブッキング情報なども見られます。そうすると、どの国の旅行者が何日前から旅行情報を検索して、コンバージョンがいつぐらいに発生するかというのも分かります。

旅行領域のオンラインキャンペーンはラスト30日を基準に指標を置く場合が多いかもしれませんが、ユーザーのサイクルは、実際にはその前に検索などをして情報収集しているので、もっと長いです。2~3か月前のこともあるのではないでしょうか。各国によって、この期間にもかなりの差があります。例えばアジアから日本を訪れる人は1ヵ月前から情報を収集し始める場合もありますが、欧米からの旅行者の場合は3~4ヵ月前の場合もあります。そういったタイムラインを見ながらキャンペーンを設計する必要を感じています。

国内では、この部分がまだ取り切れていないのが現状だと思います。旅行検討中のユーザーに先に情報や商品を配信すれば、顕在層のブッキングサポートになるのではないかと考えています。

―それに関して、ADARAはどのようなキャンペーン設計を提供されているのですか。

各キャンペーンやKPIの設定については、集計期間を長くとっている場合は指標ビュースルーコンバージョンも入れ込んでいただくよう提案します。最終的にビュースルーとクリックスルーを平行して見ていただくよう推奨しています。

―今後の日本での展開についてお聞かせください。

ポイントは2つです。まず1つはグローバルで得たトラベル関連企業90社のデータや知見を元に、4~5年後の東京五輪を見据えたインバウンド事業、それを見据えた企業様のサポートを中核に考えています。

もう1つは、日本のデータパートナーを拡張して日本のクッキー情報増やすことです。日本人で海外に行く人や国内旅行をする人を視野に、インバウンド以外の対応も進めていきたいと思います。

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ニュース拾い読み-ジーニーSSP事業売上、国内SSP事業者として日本一に!?

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国内大手SSPジーニーの4月28日リリースによると、同社2016年1-3月期売上が、前年比313.5%を達成し、結果国内の SSP 事業者として日本一になる見込みとのことだ。リリースでは、実際の同社売上額は未公表である。

 

同社によると、主にネットメディアの純広告やプレミアム枠、ネイティブアド、動画広告に加え、スマホアプリなどで「Geniee SSP」の導入事例が増えており、顧客のリピート率も 95%を超えていることなどが今回の業績拡大の要因としている。

このリリースの前日、「fluct」を擁するVOYAGE GROUPが、2016年1-3月期の決算内容を公表している。PDFアイコンPDF P24)

これによると、同社グループのアドテクノロジー事業サプライサイド売上は、22億4000万円、前年同期比+24.5%とのことだ。

ちなみに、これは余談だが、今回のリリースには「国内SSP事業者として日本一」とあるが、「SSP事業者として国内売上シェア日本一」とは、明記されてはいない。

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Videologyグローバルトップに聞く-改めて理解する、Viewability問題の本質- [インタビュー]

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日本でも議論が活発化しているViewabilityに関して、先日来日した同社Chairman & CEO Scott Ferber氏に聞いた。

(聞き手: ExchangeWire Japan 野下 智之)

―Videologyの会社概要も兼ねて自己紹介をお願いします。

Videologyの創設者でCEOのスコット・ファーバーです。私の役割は、業界で最先端のイノベーションを推進め、会社を新しいフェーズに導くことです。今現在、世界中で28オフィスを構え従業員数は350名を超えるまでに成長することができましたVideologyの創設前は1998年にAdvertising.comを共同創設し2004年にAOLに売却しました。私自身Fortune500に名を連ねるP&GやCapital Oneでも働いた経験もあります。

アドテクは、エコシステムに関わる全てに利益を与える形で進化

―グローバル市場(US, EU, APAC)に見られるビデオプログラマティックの成長や課題は何でしょうか。

過去数年間においてアドテクが大きな進歩を遂げてきました。新しい大量のデータソースが市場に溢れたことで広告主が正しく消費者を理解できるようになり、どのデバイスからであろうと適切なメッセージをタイムリーに配信することが可能になりました。以前にも増して、すべてのスクリーン、特に動画では顕著に包括的なプランニングが見られるようになりました。現在はテレビとデジタルビデオが完全に融合する一歩手前まできています。

当社はこれからも業界とともに進化し続けます。常に広告主のニーズに合う新しい機能を追加していき、メディアとリソースの適切なアロケーション機能による在庫予測と配信保証に特化し続けていきます。我々の最終目的はクライアントに最良の結果をもたらすことです。

グローバル広告戦略を構築するにはまだ課題がいくつかあります。成長が著しい市場もあればそうでない市場もある。現在グローバル全体で統一された効果の計測基準を見い出そうとしているところでもあります。しかしながら「上げ潮は船をみな持ち上げる」と言われるように、この業界は消費者、広告主、代理店や媒体社などのエコシステムに関わるすべての者に利益を与える形でこれからも進化し続けていくだろうと私は強く信じています。

Videologyの2016年注力領域は、テレビとデジタルビデオの融合

―貴社の日本市場でのビジネスの進捗はいかがですか?

日本においては我々の最大のパートナーはヤフー・ジャパンです。昨年10月にはAdPodsをグローバルで展開しました。ヤフー・ジャパンはデータとプレミアム広告在庫を豊富に持ち合わせており、業界の中で素晴らしいポジションにいます。日本市場が他の市場に比べて成長が遅いのはデータとプレミアム広告在庫の不足が要因となっています。しかしながら、他のパートナーは2016年をより多くのプレミアム広告在庫を市場にもたらす努力を加速させ、データカバー率を上げる年と捉えています。広告付きのオンライン動画がある程度の市場シェアを獲得するまであとどのくらい時間がかかるかは意見が分かれるところですが、追い風として、大手放送局も広告付きのオンライン動画を今後どう利用していくか最善策を模索しているようです。

―2016年の注力領域についてお聞かせください

テレビとデジタルビデオの融合が促進されることを念頭に、今年も当社が常に優先事項として挙げている包括的な広告キャンペーンを構築することにマーケッターとともに注力していきます。

Viewabilityとは、「広告が見られているか」ではなく、「広告が見られる状態にあること」を保証すること

―ここからは、Viewabilityについて、お聞きしてまいります。まず、いつどのようにViewabilityの議論は始まったのでしょうか?その背景と合わせて教えてください。

背景の説明の前にまずはViewabilityの定義をしたいと思います。我々はViewabilityとは、広告が見られる状態にあることを保障ものだと考えています。広告は配信したとしても、かならずしも視聴者が見ているとは限りませんが、Viewabilityを用いることで見られる状態であったことは保障されます。

広告主にとってはテレビ広告配信と同じです。もしテレビコマーシャルが流れている間に席を外したとしても、コマーシャルは見られる状態で流れています。

デジタルの世界ではもっと状況は複雑です。ウェブブラウザーは最小化されている可能性があり、ユーザーは違うタブを見ているかも知れません。Viewabilityの測定はただ単にスクリーンに広告が見られる状態で配信さたかどうかを測るものなのです。

米国ではビデオのViewability測定が顕著に始まったのは2013年頃です。IAB(Interactive Advertising Bureau)がVPAID1.0を導入し測定が可能になりMRC(Media Rating Coucil)がどういう測定データが検討されるべきか基準を設け始めました。

一番の課題は計測基準

―Viewabilityに関する課題や議論のポイントはどこでしょうか。またそれは、どんな仕組みで解決できますか?誰が何をすればよいのでしょうか?

一番大きな課題は単純に計測基準を決めることです。これは、米国市場では既にほぼ2つのオプションのうち、1つが採用されています。MRC基準か、メディア投資会社であるGroup Mが先駆けて導入した拡張基準です。

MRC(Media Rating Council) はビデオの50%がスクリーン上に2秒以上連続して表示された場合はViewableであると定義しています。Group Mはビデオの100%がスクリーン上に表示され、少なくとも50%以上のビデオが実際に視聴され、さらに音付き、手動でビデオが開始されること、と定義しています。

基準を決めた後は、広告主は誰が何を計測するのか、しないのかを選択しなければいけません。広告主は、第三者計測ベンダーを利用することもできますし、またはそのアドテクベンダーが作ったツールを使うこともできます。 そこでの課題はそれぞれ違うベンダーが違う方法論で計測を作り上げていることです。

―Viewabilityの課題解決には、誰がコストを負担することになるのでしょうか?

このコストは2つの大きなカテゴリがあります:開発とキャンペーン配信です。

媒体と技術ベンダーが開発コストを負担します。媒体はViewableオプションを提供し、サイトと在庫を最適化するため、リソースを投資する必要があります。

アドテクベンダーは新しいViewable計測ツールかまたは第三者計測ベンダーとの統合にリソースを投資する必要があります。

キャンペーン配信においては、ほとんどのモデルはマーケッター自身がどのようにViewabilityを優先付けするかに委ねられています。彼らはキャンペーン実施の際に、Viewableにて最適化、保証をするか否かを選択することができます。それらは各キャンペーンベースでどのようにゴールを達成させるかに影響します。

現時点ではViewableかどうか測定できない在庫がまだまだ多いです。なぜなら限られたサプライと限られたViewable在庫の中では、コストが上昇するためです。

現在も課題解決に向けて議論が進行中

―マーケッターやエージェンシーにとりViewabilityはどれくらい深刻な問題なのでしょうか。差し迫った問題であるのか、大きな課題であると考えられているのでしょうか。欧米のマーケットでは、Viewabilityの議論はどれくらい盛り上がっているのでしょうか。

ここ数年、Viewabilityは米国で大きな関心を集めています。業界のプレイヤーは問題を理解し、対処されるべきだと信じていますが、理解するだけで問題は一夜のうちに解決されるわけではありません。皆未だ、この問題の範囲について理解しようと取り組んでいる上で、問題に対応する標準化されたツールを構築しているところなのです。

本トピックに関しては非常に多くの議論が交わされており、業界全体での進歩は見られますが時間はかかるでしょう。

―Viewabilityへの対応は、マーケッター、エージェンシー、広告配信ベンダー、パブリッシャーにどのような負担と利益をもたらすのでしょうか?彼らの考え方に関して違いはあるのでしょうか。

マーケッターは、プロダクトを売るというタスクがあります。もし彼らのメッセージがターゲットした視聴者に見られていない場合、パフォーマンスは低下していると捉えられます。代理店は、ブランド広告主のためにキャンペーンのパフォーマンスを上げるというタスクがあります。Viewabilityは、そのパフォーマンスの指標として大きなピースとなっています。ベンダーは、それらのキャンペーンを配信する責任があり、また、Viewabilityのような課題を克服するテクノロジーを提供することを期待されています。即ち、デマンド側にいる全ての人達は繋がっているということです。Viewabilityは皆にとっての懸念事項なのです。

サプライ側からは、媒体社は広告主に品質のある在庫を提供し利益を上げます。もし彼らがViewableではない在庫を売っていたら結果を上げられないですし、結果を上げられなければ広告主は違う取引先を使うでしょう。

それぞれのプレイヤーが違った立場で考えなければなりませんが、皆が共通にViewable在庫を欲しがっているのです。

―Viewabilityの議論が熱くなると新しいアドテクベンダーのエコシステムが出現するようになると思いますか?

この議論は既に長い間、話が盛り上がっていると考えています。DoubleVerifyの創業は2008年、Integral Ad Scienceは2009年、Moatは2010年でした。

これらの会社は各種領域の異なる測定に経験がありますが、最近になりViewabilityを優先事項と掲げました。

DSPとSSPなど様々な規模の技術提供企業がViewabilityを測定するソリューションを提供し始めました。

それらの会社は自社独自のソリューションを提供していたり、第三者のソリューションを活用したり、組み合わせることがあります。

Vudeologyは、プラットフォームの品質を保ちながら、Viewability在庫を測定し最適化

―VideologyはどのようにViewabilityに対して取り組んでおられますか?

明確にするとVideologyのプラットフォームはViewabilityをコントロールしません。代わりに、広告主のために、Viewability在庫を測定し最適化します。プラットフォームの品質はこれまで通り保障し、ブランドリフトの数値で常に業界水準を上回る事を実現します。Videologyは2014年にViewableの測定においてMRCの認定を受けました。VideologyはセルフサービスのプラットフォームにおいてViewableインプレッションを固定価格でMoat、DoubleVerify 、Integral Ad Scienceなど第三者の測定機能を使って、配信保障できる新しい機能を米国で一番初めに市場投入しました。

当社のクライアントはViewabilityをKPIとして設定するか、またはViewability保証で実行するのか、いずれかでキャンペーンを最適化することができます。クライアントはMRC が基準とするViewabilityまたはGroupMが先駆けて導入した、より広範囲のViewabilityの基準を活用して測定することが出来ます。

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現在のヘッダービディングにおける選択肢の本質を探る

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(翻訳:Asia Plus 黒川賢吾)

オープンなヘッダービディング対、独自のソリューション。AppNexus社のパブリッシャーテクノロジーグループ、製品管理部門のバイスプレシデントArel Lidow氏が、オープンソリューションの利点について語ってくれた。
 

2年ほど前までは全く聞かれることはなかったが、最近ではヘッダービディングについて至るところで語られるようになり、もはやヘッダービディングがどのように動作するかなどの説明は不必要なほどです。特長は非常に簡単で、ヘッダービディングにより、パブリッシャーは不利益を被るようなオークションを避け、GoogleのDoubleClick for Publisher (DFP)やアドエクスチェンジにおけるコスト増を回避することが出来ます。ヘッダービディングにより、パブリッシャーは自身の持つ在庫の本当の価値を知り、本当のデマンドにアクセスが出来、インプレッション毎の収益増が見込め、正しくインプリされた場合には、レイテンシーの問題を避けることも出来ます。
 

Photo: Arel Lidow氏, AppNexus社しかし、実際のところはより複雑なのが実情です。既に世の中に登場し、混乱を招いている他のテクノロジーと同様に、ヘッダービディングが、独自の市場を切り開きました。ヘッダービッディングのラッピングコードの開発は「大きなビジネス」となり、多くの競合が存在し、それぞれが独自のコードを世に送り出しています。
 

そして、GoogleによるExchange Bidding in Dynamic Allocation (EBDA)のリリースにより、Google自身がヘッダービディングのリングに参入し、パブリッシャーが自身のプラットフォームに留まるように試みようとしています。
 

基本的に、ヘッダービディングのテクノロジーは3つの異なる主張に分かれます。ヘッダービディングテクノロジーはオープンで無料であるべき、と信じる人もいれば、ヘッダービディングは独自のソリューションとして販売されるべきだと考える人もいます。そしてGoogle EBDAもあります。
 

EBDAの価値を測ろうとする場合に、ヘッダービディングが現在解決した問題をEBDAは提供しているのか、という点を問わずにはいられません。EBDAではパブリッシャーが、自身が選択したどのようなデマンドに対しても直接アクセスが可能なのでしょうか?Googleはパブリッシャーの収益を阻害する税金課金を行うのでしょうか? Googleは公式にはどのようにExchange Biddersが自社のアドエクスチェンジと競合するようになるのかについて明らかにしていないため、これらについてはまだ分かりません。これらの不確実性に加えて、もっとも重要な点となるのが、GoogleがEBDAにおけるプライベートマーケットプレース(PMP)の利用を許可しないと報じられている点です。
 

Googleがこれらの疑問点に満足な回答を示さない限り、ヘッダービディングはパブリッシャーが無視できない利点を提供し続けるでしょう。ここでパブリッシャーは、オープンなヘッダービディングか、ベンダー独自のソリューションのどちらを選ぶべきなのか、という選択を迫られます。
 

市場には多くの良質なベンダー独自のソリューションが存在する一方で、パブリッシャーの選択や柔軟性は限定されます。ラッパーコードを管理するプロバイダーにより、ヘッダービディングのデマンド、分析、パブリッシャーが取引を行うサービスパートナーは決定されます。他方で、オープンなヘッダービディングにおいては、パブリッシャーがサービスやサポートを犠牲にすることなく、自身でコンフィグレーションや収益管理を行うことが出来ます。
 

オープンなヘッダービディングにおいては、いくつかの明確な利点があります。
 

1.

ラッパーテクノロジー:これはパブリッシャーが自身のページに必要な、複数の入札パートナーとの関係を管理するためのコードです。ラッパーコードはすぐに商品化され、殆どのラッピングが独自のソリューションとなっています。このことは、ラッパーの提供者が、DPFのセットアップ管理から、ヘッダービディングのデマンドパートナーと統合、レポーティングやその他サービスを手がけることを意味します。一方で、数は少ないながらも実質的に、オープンソースコードを利用して、全てのパブリッシャーが利用可能な「公共物」ともいえるラッパーも存在します(二つ例を挙げるとするとprebid.jsやpubfood.js等です)。

2.

ヘッダー入札者:これらはパブリッシャーのサプライへのアクセスを求める企業のことです(例:Rubicon、Index Exchange、Open X、AppNexusなど)。独自ソリューションの場合、パブリッシャーは、好みのパートナーの有無に関わらず、提携ヘッダー入札者とやりとりを行います。オープンテクノロジーにおいては、どのようなデマンド側のパートナーであっても、オープンソースのラッパーに独自のプラグインを組み込むことでやりとりが可能となるため、パブリッシャーはより多くの選択肢を得る事ができます。実際、prebid.jsを利用して独自コードを書いているヘッダー入札者は他のどのラッパーソリューションよりも多く存在します。

3.

分析:ヘッダービディングは、RTBと全く同じように(サーバーサイドからブラウザーに移行しているものの)リアルタイムオークションの為、パブリッシャーは、ビッドランドスケープやレイテンシーなどのよく似たメトリクスに関するレポートを欲します。オープンテクノロジーによって、多くのヘッダー入札パートナーに様々なオプションが提供されているのと同様に、パブリッシャー側は、Adomik、AppnexusまたはGoogle Analyticsのような、prebid.jsを利用している好みの分析パートナーを選択する事ができます。

4.

サービス:独自のソリューソン提供ベンダーの中にはオープンソースによるラッピングはサービス、メンテナンスが不足している、若しくはそれらが全く提供されない、と言う人々もいます。しかしながら、実際のところオープンなソースコードと最高のサービスは相反するものではありません。例えば多くの技術的に成功しているプラットフォームはオープンソースのLinuxカーネルにより成り立っています。オープンソースによるヘッダービディングによって、パブリッシャーはオープンソースプロバイダー、サードパーティ、インハウスの何であっても、自身が好むサービスプロバイダーの選択が可能になります。

 
オープンテクノロジーによるヘッダービディングの良い点は、パブリッシャーが好きなように変更が可能な点です。時間が経過し、パブリッシャーがよりヘッダービディングによる収益化について知識を深めた際には、より多くのデマンドパートナーや、異なる分析プロバイダー、新たなサービス提供者との取引を行いたいと考えるかもしれません。ベンダー独自のソリューションでは、パブリッシャーがあるヘッダービディングの要素に不満足な場合、最初からやり直しが必要となる場合もあるでしょう。しかしながら、オープンテクノロジーにおいては、パブリッシャーがコードを所有しており、あるコンポーネントに変更を加えようとした場合であっても、それまでの取り組みが無駄になりません。
 

オープンテクノロジーによる、新たなコラボレーション、カスタマイズ、豊富なオプションによって、パブリッシャーは自社管理と収益化の両社を最大化することが出来ます。結局、これがヘッダービディングの全てではないでしょうか。

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ニュース拾い読み:Unruly、APACにおける動画広告の将来に関するマニフェストを公表

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ユニークなインテリジェンスを持つ動画広告プラットフォームのUnrulyが、来週から東京で開催されるAdvertising Week Asiaに先駆けて、興味深いコンテンツを公表した。(英語)

内容は、動画広告の将来に関するマニフェストであり、アジア太平洋版では、広告主が将来を見据えていかに動画広告を活用し、また、2016年には世界で410億ドルの損失をもたらすと予測される(アドビ/PageFair調べ)広告ブロックの普及に対応すべきかについて説いている。

マニフェストの作成は、同社がグローバルで実施した、3,200人の消費者を対象にした動画広告に関する調査を根拠の一つとしているとのことであり、「日本のインターネットユーザの94%が広告ブロックの利用を検討すると回答。」という調査結果が得られたとのこと。

この結果を踏まえ、マニフェストは7つの柱で構成され、なぜ広告ブロックが急速に普及しているのか、また、どうすれば広告主が問題解決の一翼を担えるのかについて述べている。

 

マニフェストは、下記の通り。

 

1.ゴールを設定し、目的を明確にすること

①キャンペーンのKPIは何なのか? ②これはブランドのミッションに結びついているか?を確認しましょう

2.ブランド本来の姿で表現しよう

当たり前の話に聞こえるが、ブランド本来のあり方を偽らないことは、消費者の信頼を得る重要な鍵

3.消費者と、感情のつながりを作ろう

消費者の感情に強く響くと、ブランドは記憶され、エンゲージメント、購入意向を始め、ブランドKPIやソーシャルKPIが高まる。消費者に、あなたのブランドに対して、どんな感情を抱いてもらいたいだろう?

4.パーソナルで、自分に関係あると思ってもらえるものに

ミレニアル世代の80%と、ジェネレーションX、ジェネレーションZは、自分が関心のある製品・サービスの広告であれば、広告が気にならないし、好ましいととらえる

5.シェアされやすい動画を作ろう

ソーシャルプラットフォームで、シェアされバイラルするような動画を作り、アーンドメディアを高め、広告ブロックされるのを回避する

6.ユーザ体験を尊重する

丁寧で、邪魔にならない広告フォーマットを使うことで、消費者が広告をシェアしたり、広告に様々なアクションをとるのを促す。非同期のページロードを使い、広告表示前にコンテンツが表示されるようにする

7.試行錯誤し、柔軟に学ぶ

テストを重ねて、最適なオーディエンスを探し、強いコンテンツを開発する。コンテンツをリアルイベントと連動させ、消費者の購入意思決定に影響を与える

 

 

アンルーリー日本代表取締役の香川晴代氏は、「調査結果から、広告業界が直面している大きな課題が見えてくる。動画広告は、テレビ広告に倣う形で、視聴体験を妨げるスタイルが主流になっているのが現状だが、消費者は一方的な広告が溢れていることに不満を持っているようである。広告主が消費者の声に目を向け、長期的な視点に立ち、消費者の体験を尊重した動画戦略を採用しなければ、広告ブロックソフトの普及が更に進むのでは。こうなると、業界は終わりに向かって進むことになるのではないか」と警鐘を鳴らす。

そしてその解決策として「丁寧で、邪魔にならない広告。」に取り組んでいくことを挙げる。すなわち、「ユーザ体験を損ねないページロードや広告フォーマット、また広告が観る価値のあるコンテンツであること。」が特に重要であるとのことだ。

 

 

その他、調査結果からは、日本の消費者の動画広告に関する意識としては、以下のような結果も得られたとのことだ。

・日本の消費者の約3分の2(62%)が、プレロール広告を強制視聴させられると不快に感じる。東南アジアの視聴者は、同45%で日本の視聴者よりも許容的である。

・日本の消費者の約4分の3(76%)、東南アジアの消費者の75%が、動画広告をミュートにすると回答。これは、世界平均の81%よりもやや低い。

・日本の消費者の3分の1が、広告に追いかけられるのは”便利である”と回答し、他国と比べ最も高い。一方、東南アジアでは28%で、世界の平均は更に低く、僅か20%である。

・日本の消費者の80%が、”広告が”嘘っぽく”見えるとブランドへの信頼を失うと回答し、これは世界平均の72%より高い。東南アジアでは、86%と他の地域に比べ最も高い。

・日本では、視聴者に動画広告を視聴する・しないの選択肢を渡すことが重要。日本の視聴者の50%が、選択肢を持ちたいと回答し、これは世界の平均62%よりもやや低い。

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ニュース拾い読み:Facebook Exchange、2016年11月までにサービスを終了予定

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Facebookが、外部のDSPに広告枠を開放するFacebook Exchange(FBX)を今年11月までに終了することを明らかにしたと、この週末にADWEEKWall Street Journalをはじめ、米国の各メディアが報じている。

2012年9月にサービス提供を正式に開始したFBXは、サードパーティーのDSPが入札によりFacebookのデスクトップ広告の買い付けが出来るアドエクスチェンジであり、広告主はFacebookが認定したDSPを使い、Facebookのデスクトップ(PC)ユーザーに対しリターゲティング広告の配信が可能である。Facebookが認定したDSPのパートナー企業は、サービス開始当初16サービスで、その後その数は増加したが、2015年に当時25社のパートナー数を大幅に絞り、現在は12社に限定されている。

今回のこの決定の背景には、Facebookのモバイルへの傾倒と、アドネットワークFacebook Audience Network(FAN)への注力があるといわれている。

Facebook売上の8割以上はモバイル経由であり事実上、Facebookはモバイル広告プラットフォームとなっている。そして、現在はFacebook自身の膨大なユーザーデータを活用し、Facebook以外のメディアにも広告効果の高い広告配信をする配信先の拡大を進めるためFANの事業拡大を図っている。

FANの売上は、2015年Q4をベースにすると、既に年間のランレートで10億ドル規模に達するといわれている。また日本での事業展開についてはSupershipとの提携に関するリリースPDFアイコンPDF)が記憶に新しい。

米国メディアの報道によるとFacebookは、LiveRailの動画広告SSPサービスも終了をする予定とのことだ。

 

 

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インタラクティブ動画広告:オプトと スキルアップ・ビデオテクノロジーズが提案する、動画広告の新機軸 [インタビュー]

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オプトとスキルアップ・ビデオテクノロジーズが今、大手広告主に対して提案を進めている インタラクティブ動画広告。インタラクティブ動画広告とは米国発のVPAID「Digital Video Player-Ad Interface Definition(動画プレイヤーと動画広告の間の相互通信に関する仕様)」を用いて、動画広告と動画プレーヤー(再生システム)がインタラクティブな通信を行える点が特徴とされている。「インタラクティブ」と言っても、一般的な動画広告との違いやメリットはどのような点にあるのか。インタラクティブ動画広告の市場における位置付けや役割についても含めて、株式会社オプト オンラインビデオアドソリューション部 チームマネージャー澤渡 隆寛氏と、スキルアップ・ビデオテクノロジーズ株式会社 動画広告事業部 広告プラットフォーム部部長の近藤 慎一郎氏にお話しいただいた。

(聞き手: ExchangeWire Japan 野下 智之)

よりリッチな動画を新しいフォーマットで

―まず、お二人の自己紹介をお願いします。

interview_1

近藤氏:2008年から2013年頃まで、スキルアップ・ビデオテクノロジーズ(以降スキルアップ)で動画配信プラットフォームの開発責任者をしておりました。現在では、弊社のプラットフォームはテレビ局やコンテンツホルダ―、教育系の企業様など国内で300社ほどの導入実績がありますが、この経験を活かして動画広告の事業を立ち上げ、動画広告に特化したアドネットワーク事業、アドサーバーソリューション事業、SSP事業などを行っております。

interview_2

澤渡氏:オプトには動画広告を扱う部署が大きく2つあります。「プランニング」と「商品開発」なのですが、私は後者に所属して媒体サイドに近い立ち位置でビジネス開発を担当しています。

スキルアップさんとは2014年にM&Aによる資本業務提携をし、グループ会社としてシナジーを生んでいく体制になりました。その頃から近藤さんと一緒に仕事をしており、私は主に広告主の目線で開発に携わっています。

―いま広告主は動画広告にどのようなニーズがあるのでしょうか。

澤渡氏:ここ2~3年で動画広告市場は急速に拡大してきました。以前は動画広告というとYouTubeが中心でしたが、FacebookやTwitterなどでの動画活用も進み、活用先が広がったという印象です。こうした状況で、360°動画やVRなどの新しいフォーマットで出したい、というクライアントが増えています。そのような、動画広告に対する新しい需要のうちの一つとして、インタラクティブ動画、すなわちVPAIDが注目されている、ということであるのでしょう。

―VPAIDの特徴を教えて下さい。開発された理由や、どのような位置付けや目的で活用されるケースが増えているのでしょうか。

近藤氏:通常の動画広告のフォーマットは動画が再生されるだけですが、VPAIDだと動画プレイヤー内でユーザーにインタラクティブな体験を与えることが可能です。

VPAIDを活用すると、例えばモデルが出演しているCM動画で、そのモデルの洋服にタグがついていて、マウスオンすると洋服のスペック情報が出る、あるいは購買ボタンが付いており、そのままECサイトにリンクして、そこで購入できるというようなことが可能になります。そのような導線を貼ることにより、ユーザーが欲しい情報を動画内で取得することができ、購買率のUPにも繋がります。
また、店舗の在庫情報をそのまま出すといったことも可能です。通常の動画広告に比べてインパクトが大きく、かなり自由度も高い点が特徴です。

【VPAID動画のイメージ】

―VPAIDの活用にはいつ頃から取り組まれているのでしょうか。

近藤氏:弊社では2013年から、インストリーム広告を中心にVPAIDの開発、及び配信をおこなっておりました。直近では、アウトストリーム市場の拡大を見て、アウトストリームのADフォーマットへの対応を行いました。

―導入に当たっては、配信先の媒体は問わないのでしょうか。

近藤氏:従来のHTMLタグを貼るだけなので、技術的な障壁はほとんどありません。後は「どのエリアにどの枠を設置するか」という媒体側のポリシー次第です。

媒体社が気にされるのは、コンテンツではないところでの滞在時間が増える(=相対的にコンテンツの滞在時間が減るのではないか)という点です。そういった場合には、同一サイト内でミニサイトを展開する構成を提案したりしています。VPAIDからLPに飛ばすのではなく、サイトの中に居続けてもらう仕組みが可能になります。ただしユーザー体験として最適なVPAIDの在り方については、検証し続けていくことが大切です。

―インタラクティブ動画広告は、どのような広告主に提案をされていますか?業種など、提案先を選ぶものでしょうか?

澤渡氏:特に絞っていません。ミニサイトで自由度が高く、柔軟性があるので、ダイレクトレスポンス寄りの見せ方も、ブランディング向けも可能です。インタラクティブ動画は、既に動画広告を多くご出稿されていて、更に新しいことをやりたい企業様などには、とても評判が良いです。

KPIはブランドリフト

―KPIはどうやって設定するのでしょうか。

近藤氏:ブランドリフトの指標であることが多いです。興味関心を示すスコアも通常より上がる上、動画の視聴率は倍近く長く視聴される、というデータが出ています。

―実際の配信先媒体は、どのような媒体になりますか。

近藤氏:スキルアップ独自のアドネットワークを持っておりますので、一般のWebサイトや動画配信サイトなどです。数多くの媒体に、動画広告枠を作っていただいています。インフィードフォーマットにも配信していますし、その効果も出始めています。

―直近の導入事例があれば教えて下さい。

澤渡氏:例えば、富士フイルム様が年賀状の訴求をされました。マウスオンしてミニサイトが立ち上がり、この中で写真入りとか、キャラクターとか、それぞれの年賀状の訴求ができます。インタラクティブ動画は能動的に見てもらえるので、興味や好意度が通常よりも高いという結果がでました。また、あるキャンペーンでは、企業のランディングページへ遷移後の滞在率やページ閲覧数が通常の1.5~2倍という結果が出ました。能動的に動画広告に触れてもらうよい一例だと思います。

―この場合のKPIはどのように設定されていたのでしょうか。

澤渡氏:どちらかというと、視聴率をひとつの指標にされていたと思います。あとはユーザーのインタラクション、エンゲージメントです。

ストレス少なく、ユーザーも快適

―導入する場合の作業負荷はどの程度なのでしょうか。

澤渡氏:リッチなクリエイティブも簡単に作れるツールを備えていますので、そこまでハードルが高い訳ではありません。クリエイティブチェックに時間はかかりますが、中堅の広告主企業様でも充分実施いただけます。

―インタラクティブ動画を使う明確なメリットを、今一度ユーザー、広告主、媒体の立場からご説明いただけないでしょうか。

澤渡氏:ユーザーのメリットはストレスの少なさです。インタラクティブ広告は動画以外の情報も見られるので、動画見ながらミニサイト内でいろいろ視聴できてストレスが低いと思います。通常の広告は、強制的に広告だけを見せられてしまいますので。

広告主にとっては、こうした新しいフォーマットは興味喚起やエンゲージメント指標の向上につながるのでメリットがあります。

媒体にとっては、大手動画配信サイトが、サードパーティーによる入稿形式でのVPAIDを扱っていない、という点が大きいと思います。これにより「大手動画配信サイトで出来ないことができます」と言えますので、CPMも安定した水準になるのではないでしょうか。

―提案先の広告主のタイプにより、提案パターンはいくつか決まったものがあるのでしょうか。

澤渡氏:全てリンクにする場合と、動画ギャラリーとして使う場合、カタログとして使う場合などが今は多いです。クイズのような形にしてエンタテイメント性を持たせることも可能です。

SSPのエッセンスを活かし、より多くの媒体に

―今後、媒体との連携についてはどのように考えていますか。

近藤氏:他社は特定ジャンルへの特化型である場合が多いのですが、我々はSSPのエッセンスを加えてより広く多くの媒体に導入し、当てたいオーディエンスにオーディエンスデータを掛け合わせて配信していくという手法を採っています。
トラフィックが多い、あるいは様々なデモグラフィックのユーザーが集まるような媒体をリクルーティングしているイメージです。
配信先は現状、Web面が中心ですが、3月にモバイルアプリ用SDKもリリースしました。これにより今後アプリ事業者様にもご提供を進めていきます。

―媒体側の期待は感じられますか。

近藤氏:はい。「動画広告は高単価で収益性も高いため導入したい。」というお声をいただきます。特にスマホサイトの収益アップは各媒体様の課題ですので、弊社としても特にスマホに力を入れております。

―動画の在庫はどのくらいあるのでしょうか?

近藤氏:弊社アドネットワークではViewableなインプレッションで、およそ月間10億Viewの動画広告在庫を保有しております。ここ最近は、特にスマホサイトの在庫数が顕著に伸びております。

ニーズの多様化にスピード感を持って対応

―数ある動画広告フォーマットの中で、インタラクティブ動画はどのように進化していくと思われますか。

近藤氏:フォーマットによって広告の成果や効果はかなり異なってきますので、いちはやく動画広告に取り組んできたようなお客様にはかなり前向きにご検討いただいています。その中で、縦長動画やスマホ視聴、360°動画やライブ配信といった多様なニーズが出てきています。広告利用で動画を配信するニーズだけでなく、コンテンツとして動画を拡散するために弊社ソリューションをご利用いただくことも増えてきました。テクノロジーベンダーとしてはそういったニーズにスピード感をもって対応していきたいと思っています。

澤渡氏:インタラクティブ動画広告はもともとPCのみのインストリームが中心でしたが、スキルアップが今年アウトストリーム面にも対応したので、また一つ進化できたと思っています。

加えてHTML5に対応すればiOSでも見られるので、フォーマットの進化は大きいです。いろいろなフォーマットで出せると、広告主様もいろいろな見せ方ができます。モバイルの場合も見せ方はまた異なりますので、ユーザー体験も広告主様の目的もこれまでとは変わってくるでしょう。

モバイルでも、リッチな動画体験を

―VPAIDがモバイルに対応することで変わることは、どんなことなのでしょうか。

近藤氏:PCデバイスだけではなく、スマホデバイスにもインタラクティブでリッチな広告表現が可能になり、これまで以上にインパクトのある訴求が可能になります。まだまだ実績が少ないため、ブランドリフトへの影響などはこれから検証が必要になりますが、完視聴率は通常フォーマットと比較して向上する傾向があることが分かってきております。

―データフィード広告とVPAIDに関連性はあるのでしょうか。

近藤氏:実績はまだありませんが、ユーザーの趣味嗜好に合わせた広告だけをVPAIDで並べることができるので可能性はあると思います。

澤渡氏:本編の動画に合わせて、ミニサイトの動画は(データフィードに合わせて)いろいろと変えられるので、可能性は大いにあると思います。インタラクティブ動画を制作するクリエイターは国内にまだまだ少ないので、どんどん増やしていきたいと考えています。

―最後に、今後のお取り組みの方向性についてお聞かせください。

interview_3

近藤氏:当社のアドネットワークの取引を増やして、動画広告の市場を広げていくのみならず、媒体への収益還元にも貢献したいと考えております。テクノロジーベンダーとして目指すのは、国内でもっともっと様々な媒体が動画広告を活用すること。どんどん盛り上げていきたいと考えております。

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動画を活用したマーケティングが変える、ユーザーとのコミュニケーションの形 (第1回)~マイクロアド~ |WireColumn

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2011年ごろ、YouTubeをはじめとした動画広告が登場した。
動画広告は、それまでにはない新しい広告形式であり「映像・音声・文字」により、ブランドイメージやサービスを訴求することを可能にする。

インターネットインフラの整備も伴い、動画広告普及の兆しが見えたのは2013年頃であろうか。
それから、動画元年と言われ続けた近年であったが、動画広告市場の進展および動画広告成功のポイントはどう移り変わっていったのか。

本コラムは、動画広告の解説とその活用、そして動画広告を通したマーケティングの発展について、動画広告に精通するマイクロアド社員が全三回のリレーコラム形式で解説する。

 

本編の第一回目は、動画広告市場の拡大背景から動画マーケティングの手法までを、マイクロアド営業局長の宮本がお伝えさせていただきます。

動画マーケティングが成立する時代へ

近年、高速回線の普及により、オンラインの動画視聴数は爆発的に増加しています。
図1のように、一口に動画といってもコンテンツのクオリティ・視聴されるメディアや場面によって、実は細かに使い分けがなされています。
例えば、FacebookやInstagramといったSNSを利用しているユーザー間での動画の共有は、簡潔で印象に残りやすく、人々の行動に影響を与えやすいと言われています。
また、自社ブランディングの一環としてYouTubeで特別に作成された、クオリティの高い動画を見かけるようになったと実感される方も多いのではないでしょうか?

図1

【図1】

マイクロアド作成

今では、一流のクリエイターや一般ユーザーの投稿動画も含めると、動画流通量は国内外問わず膨大なものになっています。
加えて、世界規模で利用されるプラットフォームが動画市場に次々と参画しました。
一定量のクオリティがあるコンテンツが増え、世界規模のプラットフォームが動画に対応したことで、動画マーケティングが成立する時代へ突入したと言えます。

動画広告、盛り上がりの背景とは

1)テレビとインターネットの平均利用時間の推移

例えば、2008年の地上波テレビCM広告費は1兆9,092億円。
スマートフォンが普及し始める前で、多くの人は当たり前にテレビを見ていた時代でした。
2015年は1兆8,088億円(前年比98.6%)。GDPだけで景気の状況は計れませんが、名目・実質共にリーマンショック前を上回っている状況を踏まえると、市場は縮小し始めています。
一方、インターネットの普及によりウェブ広告費は2008年の6,983億円から2015年は1兆1,594億円まで大きく伸張しました。2016年も更なる成長が見込まれています。(※電通 「日本の広告費」より)
何故、このような現象が起こっているのかを紐解くと、人とメディアのコミュニケーションの形が大きく変わったことが見えてきます。
【例】
・Instagramで旅行先を検索する。
→訪問場所周辺のハッシュタグの写真・動画投稿を見て、次に行くところを決める。
・Facebookで面白いコンテンツをシェア。
→シェアされた動画を友達が見て、更にシェアをする。

また、総務省情報通信政策研究所発表の下記グラフ1を見ると、2012年から2014年にかけ日本人の全年代のテレビ視聴時間は低下し続けています。
テレビ視聴の代わりに、インターネットの利用時間が伸張しているのが現状です。

10代 :リアルタイムでのテレビ視聴時間とインターネット利用時間が逆転
20代 :テレビ視聴時間をインターネット利用時間が大きく上回る
30代~:40、50代のみテレビ視聴時間とインターネット利用時間共に伸張

Graph1

※出典)総務省情報通信政策研究所「平成26年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査〈速報〉」より作成。小数点以下四捨五入。

【グラフ1】

さらに、グラフ2より時間帯別接触メディアを分析してみると、更に世代間の行動特性を読み解くことができます。
10代、20代共にほぼ全ての時間帯でインターネット接触者数がテレビ視聴者数を上回っています。“常にネットと接している世代”と言えるでしょう。

10代、20代の時間帯別接触メディア

※出典)総務省情報通信政策研究所「平成26年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査〈速報〉」より作成。小数点以下四捨五入。

【グラフ2】

これらの状況を含め、テレビCMではリーチしにくい層、特に若年層に対しての訴求を強化する目的で、テレビCMに代わりインターネットの動画広告が用いられるケースが非常に増加しています。

2)動画広告市場と広告形式の変容

2015年、国内の動画広告市場は前年比約1.5倍の501億円の市場規模まで拡大しており、引き続き広がりがある魅力的な市場であると考えています。
特にスマートフォン向け動画広告の需要拡大が予想されており、2017年には2015年比で2倍以上に伸長する見込みとなっています。

動画広告市場規模推計・予測 -デバイス別-

※出典)サイバーエージェント/シードプランニング調べより作成

【グラフ3】

今後大きく需要拡大が見込まれるスマートフォン向け動画広告では、主にこの3つの動画広告形式があります。
これらは、目的やターゲットとするリーチ層などにより使い分けられています。

■インストリーム広告:YouTubeなどの動画サイトで配信される広告。
■インスクロール広告:Webページをスクロールして広告表示ポイントが画面に現れたら配信
■インバナー広告:従来のバナー枠に配信されるタイプの動画広告
(インディスプレイ広告とも呼ぶ)

表1- マイクロアド作成

マイクロアド作成

【表1】

今後はYouTubeを主流としたインストリーム型に加え、多様な広告形式が広がる見込みです。
動画広告市場が先行する米国では、動画広告におけるYouTube比率は低下しています。
この動きは、動画広告市場が伸びている日本でも生じるでしょう。
すでに、国内最大手のメディアレップであるDACの決算資料からも、インストリーム以外の売上が伸びてきていることが分かります。
(※インバナー配信については、前Qから約2.1倍の成長が見られる)

動画広告売上 単体

※出典):DAC2016年3月期 決算説明会資料

【グラフ4】

動画広告の現状と今後の鍵

YouTubeは依然として主流の配信手法ですが、動画視聴に訪れたユーザーに対して広告を強制視聴させることは顧客(クライアントのファン層)を毀損する恐れを含んでいます。
一方SNSは配信面が限定的であり、これらを補完する“第3の配信”が今後の動画広告マーケティングのカギであるといえます。

クライアントの動画広告出稿に係るニーズも多様化しており、今後は広告枠の更なる開発は勿論、配信クリエイティブや配信に使用するデータの選定、実施後の態度変容(ブランドリフト値)等を複合的に提案・実施・確認する事が求められてきます。
また、Webとテレビの掛け合わせや、あまりテレビを視聴しないユーザー(ノンテレ層やローテレ層)に対するターゲティング等の需要も、確実に増えてくると想定しています。
昨今のWebターゲティング技術の向上により、テレビを視聴しないユーザーに対する配信も可能となっております。
メッセージを伝える手段の多様化を通じ、動画広告市場は今後更なる拡大が期待できると言えるでしょう。

次回は、日々進化する”動画広告枠”について、詳しくお伝えさせて頂きます。

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「メディアの成長を共創する」 VOYAGE GROUPのSSP事業拡大戦略 [インタビュー]

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SSP国内最大手のVOYAGE GROUPは、ゴールドスポットメディアを傘下に収め、更に事業拡大を進めている。2016年の戦略や直近の市場動向に関する認識について、株式会社VOYAGE GROUP執行役員兼、株式会社fluct 取締役兼COO 土井 健氏と、株式会社fluct 執行役員の今井 悠介氏に話を伺った。

(聞き手: ExchangeWire Japan 野下 智之)


プロダクトライフサイクルでは、成長期の後半

―まず自己紹介をお願いします。

土井氏:VOYAGE GROUPの執行役員及び、 fluctにて今年4月からCOOとしてSSP事業全体を管轄しております。

今井氏:私はfluctにて、主にDSPやアドネットワークとのビジネスアライアンスを担当しています。

―まず、昨年1年の貴社SSPビジネスについてまた、足元の市況感についてお願いいたします。

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土井氏:SSPビジネスは好調で、直近の決算ではこの1-3月は前年同クォーター比で24.5%、売り上げは22.4億です。SSPというプロダクトライフサイクルは成長期の後半に差し掛かっていると感じており、事業成長はしていますが、市場の成長曲線も緩やかになったかなという感じです。

―去年SSPの再編が相次ぎましたが、環境の変化は感じますか。

土井氏:去年の市場予想と変わっているのは、SSP市場への新規参入部分だと思います。もともとのSSPは統廃合されましたが、外資含めメディアやプラットフォーマーのSSP領域への進出が増えてきました。

―そこに対してどういった戦略を立てていますか。

土井氏:いかにメディアの収益を上げるかの仕組みは2008年から取り組んでおりますので、そこを研ぎ澄ませていくことが重要であると考えております。

―今回のゴールドスポットメディア子会社化について、経緯からお聞かせください。

土井氏:資本関係は去年10月に出資をしたのがきっかけですが、それ以前よりビジネス取引はありました。一緒にビジネスできればという話をしていたのですが、ゴールドスポットメディアさんが動画を含むリッチメディア領域で一定のポジションを取られており、また当社でも動画をしっかりと取り組んでいきたいということで、今回のお話に至りました。

―今後組織はどのようになっていくのでしょうか。

土井氏:いきなり統合するイメージはなく、まずは組織や人の交流から始めてまいります。まずビジネスで強く連携し、オフィスやシステムの連携はそれに並行して随時統合していくというような流れを想定しております。

営業面では、両者の商材を案内できるようにはしたいのですが、システムは両者の良い面を残しつつも、今後新しい取り組みをする領域で一緒にやっていきたいと考えています。

―組織の規模を教えて下さい。

voyage-2今井氏:ゴールドスポットメディアは7人です。開発、デザイン、エンジニアがそれぞれ数名おり、全員フロントエンドのエンジニアでもあります。一人二役以上の役回りをしているのが現状です。

動画広告市場における存在感が魅力

―VOYAGE GROUPとして、ゴールドスポットメディアの一番魅力的であったところはどのような点ですか。

土井氏:VOYAGE GROUPとして動画広告に取り組んでいく上で、ゴールドスポットメディアがリッチメディア、第三者配信の分野でプレミアムメディアに使われる、DSPの中で使われる、などの事例がかなり増えておりました。他の日本市場のリッチアドの会社と比べてかなりパイを取っていた印象があります。この領域で、VOYAGE GROUPが一から始めるよりも、M&Aをしたほうが早いという判断に至りました。

―ゴールドスポットメディアの経歴について教えてください。

今井氏:もともとは米国の企業として2007年に西海岸で起業し、2009年に日本に参入しました。その頃はフィーチャーフォン向けのサービスを提供しておりましたが、スマホにシフトしてリッチコンテンツの制作も始めました。動画素材を組み合わせて広告コンテンツに組み上げる、動画コンテンツの制作ツールもあわせて提供するようにもなりました。

動画広告は「アウトストリームに予算が来る」

―動画領域では、今後どのような展開を考えていますか。

今井氏:色々なフォーマットを用意し、メディアに合わせて配信をしていくというスタイルです。

―動画広告市場を現在どのように見ていますか?

土井氏:アウトストリームに予算が流れて来ると思っています。モバイルに広告主が入ってくると、ゲーム会社やブランドなどが広く予算を投下するようになると思います。

今井氏:アメリカに比べて、日本では動画コンテンツを配信するメディアが多くないため、プレミアムコンテンツに対してインストリーム在庫のみ買い付けすることは、広告/プロモーションとしてスケールしにくいという課題が出てきています。
確かに動画コンテンツの中に広告が挿入されているが、「動画コンテンツは本当にプレミアムなのであろうか?」という疑問を、アウトストリームにより解決することが出来ます。例えばプレミアムメディアだけの動画広告枠を設けてそこに動画広告を配信すれば、配信先がプレミアムメディア/コンテンツであることを保証することが出来ます。市場はまだインストリームメインですが、このことは、アウトストリームに流れて来る一つの要素であると考えています。

内外のリソースを活かし、コンサルティング人材を育成し「メディアの成長を共創」

―今年の貴社SSP事業の戦略についてお聞かせください。

土井氏:SSPは、成長期の後半に差し掛かりつつあるため、各社による競争が激化しております。そんな中、弊社が一部のメディアに提供を始めたのが、メディアに訪れるユーザーの回遊率を増やす等の広告マネタイズ以外のコンサルティングサービスです。これまで広告のメディアマネタイズを進めてきて、そのサイトの流入元がどこかは見ていました。しかし離脱したユーザーはどこに行っているかまで追いかけ、離脱先が例えば保険商品だったら保険の記事を増やす。それによって1ユーザーあたりの回遊数を増やすというような、サイトコンサルティングサービスの提供を始めました。

近年はGoogle DFPを使うメディアが増えておりますが、皆さんが完全に使いこなしているとは言い切れません。そこで、Googleと強いパートナーシップを持つ当社が、その知見を活かし、DFPのコンサルティングサービスを提供し、メディアからフィーを戴くこともしています。

DFPは機能が盛り沢山で、これらを活かすことにより収益の向上が期待できます。そこで日々の運用やチューニングを行い、それにより収益を上げる取り組みを行っています。現在、大手メディアへのコンサルテーションも実施していますが、好評をいただいております。

―自社プロダクトのみならず、DFPのコンサルティングに対応するような人材まで、多く抱えておられるのですね。

土井氏:はい。当社は2008年からメディアと向き合うビジネスに取り組んでおり、これまでの8年間、そのことを考えてきた人材が多いのです。ですので、高い水準のコンサルタントが、ご提案をしています。

既存のfluctメンバーが高度な提案できるようになってきたのですが、労働集約的なビジネスなので、全メディアには提供できません。Win-Winのところに限って今はご提供しております。

今井氏:DFPコンサルやサイトの回遊をどう上げていくかをメディアの立場になって事業展開していきたいと考えています。広告は一手段でコンサルや課金、デバイスの拡張なども見据えています。今まではPCとスマホでしたが、IOTやVRが広がると、今後どこがメディアになるかは変わってきます。そのチャンスも狙っていきたいですね。

―今後も、SSP領域に関連して貴社グループによるM&Aはあり得るとみてもよろしいでしょうか?

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土井氏:VOYAGE GROUPとしては、SSPに限らずいわゆる内製できる部分と、外部と一緒に取り組むべき部分とは、選択肢として常に考えています。単なる事業提携から出資、そしてM&Aもあり得ることです。このことは、SSPの領域に限らず、アドテク全体で考えられます。VOYAGE GROUPはメディア事業にも取り組んでおり、そこも視野には入れています。

今井氏:土井も申し上げたように「メディアの成長を共創する」がfluctのコーポレートメッセージです。今まではSSPというプロダクトをメディアに提供してきましたが、今後は解析ツールやDFPのコンサルなど、他社と協業も含め、メディアビジネスがスケールするために何を提供すればよいのかを考え、準備することが大事なポイントです。SSPでもアプリ、動画、PMPなどのキーワードが出てきています。動画はゴールドスポットの参画により、クリエイティブ力を武器にスピーディーな展開が出来るようになると考えております。

土井氏:これまでのM&Aにより現在、fluct組織の人員が100人以上になりました。改めて会社として何を大事にするか。立ち返った「メディアの成長を共創する」ところを意識していこうとしています。

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